有川浩さんの「旅猫リポート」(講談社文庫)

 

    ノラ猫だったオス猫ナナは、交通事故にあったところをサトルという青年に救われ、彼の家族になります。それから5年、サトルは、ある事情からナナを飼い続けることができなくなりました。

    サトルはナナを連れ、銀色のワゴン車で旅に出ます。ナナを家族として迎えてくれる人に会うために。

    サトルの幼なじみで、親から引き継いだ写真館を営んでいるコースケ。中学時代の同級生で、田畑を耕して暮らしているヨシミネ。高校、大学時代の友人で、ペンションを経営しているスギとチカコの夫婦。

    サトルはひとりひとりを丁寧に訪問し、ナナを引き取ってもらえないかどうか相談します。

 

 

    サトルがとてもまっすぐな性格で、しかも愛情深く、好感が持てます。

 

    そして、なんといっても、ナナがかわいい。通りすがりのコワモテもおじさんに、なでさせてあげるところとか、とにかくかわいすぎます。

 

    印象的だったのは、サトルの叔母で育ての親のノリコ。とにかく不器用な性格なのです。言ってはいけないことを言ってしまう。言わなければ伝えられないことが言えない。読んでいてもどかしさを感じるとともに、応援したくなります。

 

    ハートフルなロードノベルなのですが、安心して読んではいけません。終盤は、涙、涙の展開です。くれぐれも電車の中では読まないように。