アガサ・クリスティの「白昼の悪魔」(ハヤカワ文庫)

 

    アガサ・クリスティのエルキュール・ポアロもの。

    美しく平和な避暑地スマグラーズ島。ジョリー・ロジャー・ホテルに泊まっている客たちの面々を見ると、なにやら、ひと波乱ありそうな雰囲気。はたして、ケネス・マーシャルの妻で美貌の元女優、アリーナが、妻といっしょに来ているパトリック・レッドファンに急接近します。

    そして、ついにある日、海辺でアリーナの他殺死体が発見されます。

    宿泊客たちの中に犯人がいると思われましたが、かれらにはみなアリバイがあり、警察の捜査は行き詰ります。そこで、調査に乗り出したエルキュール・ポアロでしたが・・・・・・

 

 

    殺されたアリーナは、まさに”女の敵”とも言うべきキャラ。宿泊客たちから嫌われていました。しかし、殺したいほど憎んでいた人物がいるのか。

    真犯人は? そして、真の動機とは?

 

    さまざまにキャラのたった登場人物たちの中でも印象的なのが、アリーナの継子のリンダ。年若く、屈折した少女です。「動く指」でも思いましたが、クリスティは少女の描写がほんとうに巧みだと思います。

 

    独身の女性ドレスメイカー、ロザモンドのキャラもいい感じです。ポアロも彼女にひかれますが、かといって、容疑者からはずすような甘いことはしません。

 

    犯人は、現代風に言えば、一種のサイコパス。でも、そんなようすはみじんもみせません。私も最後まで見抜けませんでした。