小林泰三さんの「セピア色の凄惨」(光文社文庫)

 

    ある探偵のもとを訪れた客。客は「行方のわからない親友を探してほしい」と頼みます。探偵は、引き受け、古ぼけた4枚の写真をもとに調査を始めて、その結果を客に報告します。

    1件目の調査対象は、あるひとりの男。大学祭でひとりの女にひとめぼれしてナンパ。デートの約束を取り付けます。しかし、約束の日に、女は待ち合わせ場所に姿を現しませんでした・・・・・・「待つ女」。

    など全4編のエピソードが語られる、ちょっと変わった連作短編集。

 

 

    タイトルに”凄惨”とありますが、そのとおり、暗くて救いようのないエピソードが多いです。

 

    印象に残ったのは2件目の「ものぐさ」。

    異常なまでに面倒くさがり屋の女が結婚し、かわいい女の子を生みます。いっさい家事はしません。夫はオーバーワーク気味の仕事の上に、家事と育児に追われ、ボロボロの状態に。そしてついに、最悪の悲劇が・・・・・・・

 

    3件目の「安心」も怖いエピソードです。

    非常に心配性の女。彼女は、さまざまな動物を飼うのですが、そのたびにペットが死んでしまうのではないかと心配になり・・・・・・・

 

    小林泰三さんだけあって、どのエピソードも完成度が高いです。ダークな物語が好きな方はぜひ。