廣嶋玲子さんのファンタジー「青の王」(東京創元社)

 

    砂漠の中にありながら、水をたたえ、栄えるナルマーンの都。ナルマーンの王は魔族を支配する力を持ち、都の上空は飛行する魔族によって護られています。

    そんな都に住む孤児の少年ハルーンは、盗みの疑いをかけられ、枯井戸に投げ込まれてしまいます。井戸の底には通路があり、それをたどると、不思議な塔の前に出ました。塔の中にはとらわれの美少女が。自分の名前も思いだせない彼女を、ハルーンは塔の中から救い出し、ふたりで逃亡します。

    空飛ぶ翼船の女船長アバンザに助けられたふたり。しかし、ハルマーンの軍勢が、そんな彼らを追いかけてきて・・・・・・・

 

 

 

    まず、塔の中の少女が何者なのかという謎が読者をひきつけます。ふたりを追ってきた魔族の言葉から、しだいに明らかになっていくその正体。

 

    魔族がたくさん出てきますが、みな、なかなかに個性的です。

 

    ふたりを追う立場のハルマーンの王とその息子たちの競合関係も興味深く描かれています。

 

    なにより、女船長のアバンザがかっこいいです。

 

    アラビアンナイト風のファンタジーが好きな方におススメです。