朱川湊人さんの連作短編集「なごり歌」(新潮文庫)

 

   1970年代。舞台は東京の東のはずれにある超巨大団地。

   団地に住む人々が出会う、さまざまな不思議な出来事を描いた連作短編集。

   夏休みに引っ越してきて、団地内に友だちがいないため、ひとりで団地内をうろつく習慣がついてしまった少年、裕樹が親しくなった少年の正体は?「遠くの友だち」。

   何度もの見合いに失敗した末、ようやく結婚できた仁志の前に現れた男が、「あなたの奥さんは私の妻です」と告げる「秋に来た男」。

   など、全7編。

 

 

   連作短編集で、主人公は毎回、代わりますが、各エピソードが他のエピソードにかかわっているので、順番に読んだほうがいいでしょう。

 

   1970年代の話ですので、60歳代の方が読めば、すごくなつかしく読めるのではないでしょうか。

 

   朱川湊人さんらしく、ほのかな哀感と暖かさをあわせもった、ノスタルジックな作品集です。

 

   私的には、仕立て屋の木暮尚希が、恋人を殺した犯人を捜す最終話「そら色のマリア」が印象に残りました。