柚木麻子さんの「BUTTER」(新潮社)

 

   里佳は30代の女性雑誌記者。

   ちまたでうわさの女、梶井真奈子の取材をするために、拘置所に収監されている梶井に面会に行きます。

   梶井は複数の男たちに貢がせたあげく、かれらを殺したという嫌疑をかけられている女。美しくもなく、スタイルも悪い彼女のどこに、多数の男たちに貢がせた魅力があったのか。その点で、世間をにぎわせています。

   何度か面会を重ねる里佳。しかし、会っているうちに、梶井の放つ強力な魔力のようなものに取りつかれてしまい・・・・・・

 

 

   この物語は、一時期世間をさわがせた”木嶋佳苗事件”を参考に書かれたものです。

 

   タイトル「BUTTER」そのままの、こってりとした物語です。梶井が好むものは、高級なバター、リッチで本格的なフランス料理など濃厚なものばかり。

   食べ物の描写もたくさん出てきます。しかし、小説の題材が題材なので、飯テロ感は、あまりありません。

 

   梶井の放つ毒気のすさまじさが行間からたちのぼってきますきます。ただし、梶井がおかしたであろう犯罪(殺人)に関しての描写は少なく、木嶋事件の詳細を知りたいという人にとっては、期待はずれに終わるでしょう。

   梶井のキャラがいかに強烈でも、この小説の主人公は里佳なのです。