賢者の探し物 | ナウでヤングな大人の為の心理学

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カミサマは、何となくこう思う(コラー)



あるところに、

老いぼれた

爺さんがいました。


その爺さんは、

来る日も来る日も、

ただただ

微笑みながら

何もせずに

何も言わずに

過ごしています。


その姿を見て

周囲の人達が、

近くにいたいと

集まって来てました。


その人数は

日を追うごとに

増えてしまい、

今では一つの

村のようになってます。


ある日、

国で一番の

賢者と言われ

多くの弟子を持つ

人物の弟子の一人が

その話を聞き

師に報告をしました。


「師よ!大変です!!
  師より弟子の多い
    人物がいるようです!」


それを聞いた師は、

その人物に逢いたいと

旅に出たのでした。


世界中の知識や

経験を積んだ

自分より弟子の多い

人物に逢い

教えを請いたいと

思ったのでした。


そして大勢の弟子を

引き連れて行き、

その村に到着しました。


村人はみんな

優しい笑顔で

出迎えました。


師は弟子達に

こう言いました。


「みな幸せそうに
 しているのを見ると
  相当な人物であろうな。」


師はますます、

その人物に逢い

教えを請いたいと

思いました。


師は村人たちに

聞いてみました。


「日々どんな教えを
  受けているのじゃ?」


村人たちは

口々に答えます。


「いえ、別に?」

「何にも言わないよね?」

「特に教えてもらった事は、、、」


師は驚きます。


「何も教えてないだと?」


どういうことなのか、

ぜんぜんわかりません。


村人に頼んで、

その人に逢わせて

もらいたいと

お願いしてみました。


「あの人逢わないと思う」


村の長から言われたが、

なんとか食い下がりました。


自分は、国一番の

賢者と言われて

王族や将軍も

教えを請いに来る。


多くの弟子を持ち、

日々研鑽を重ね、

精進をしている。


そんな中で

わざわざ遠くから

出向いて来たのを

こんこんと話し、

説得をしたのです。


村の長は

苦笑いをしながら

逢ってくれるよう

頼んでみると

約束してくれました。


約束の日の前に、

何を聞くべきか、

弟子達と一緒に

賢者は考えました。


その問いだけで、

相手の人物は

自分を推し計ると

思ったからです。


弟子達と考え

何を問うかを決め、

約束の日を迎えました。


村の外れにある、

質素な小屋の中に、

その人物がいると

聞かされて、

その小屋に入りました。


中に入ると、

およそ大人物とは

思えない容姿の

老いぼれた老人が

座っていました。


国一番の賢者は、

容姿などでは

人物を判断しません。


自己紹介を済ませ、

いよいよ問いを

投げてみたのです。


「人として徳を積むのは
 なんとすればよろしいと
  お考えになるでしょうか?」


その老人は答えました。


「知らん」


賢者は慌てました。


今まで様々な学びを

積んで来た自分が、

その答えに困惑するなど、

恥とも思えました。


「し、知らぬと言いますと?」

「知らんものは知らん」


賢者は思いました、

さすがは大人物であると。


ここで慌ててはいかん、

弟子の手前もあり

落ち着いて返しました。


「さようですか、
 ではアナタはいったい
   何をされたのですか?」


我ながら深遠な

問いを投げたと

自負しました。


「何もせんよ」


周囲の弟子達も

ざわつき始めました。


「生まれてこのかた
  何もしたことがない」


賢者は混乱して

さらに問いました。


「そんなはずはない!
 それならあんなに
  お弟子が集まる
   わけないではないか!」


「あれ弟子じゃねーよ」

「ではなんなのですか?」

「近所に住んでる者たちだ」


賢者は呆れてしまいました。


「アナタはあの者たちに
  何か教えを与えねば
    ならない存在のはずだ!」

「めんどくさいの~」

「人とはそうして
 人の役に立つのが
  天からの使命なのだ!」

「聞いておらんな」


賢者は腹が立ってきました。


「アナタは徳をなんと心得る!」

「オマエが探し求めていて
 わしが持っておるモノじゃろう?」


弟子達が一斉に

顔を見合わせました。


賢者は慌てて

小屋を飛び出し、

弟子達もそれに

続いて飛び出しました。


「よいかお前たち、
 この話は絶対に
  よそで話してはならん!

そしてあの者に
 二度と近づいてはならん!」


そそくさと

帰り支度をし

国に帰って行きました。


村の長が、老人の

小屋を訪ねました。


「いやいや、大変でしたのぅ」

「う~ん、めんどくさいわい」

「高名な方だそうですぞ」

「わしゃ知らんがな」

「で、何をお聞きになったので?」

「なんか探しとったわ」

「何をお探しに?」

「徳って言うモノじゃ」

「なんですか?それは?」

「さぁ、わしゃ知らん」


その後も、

その村には、

いろいろな人が

訪ねてきたそうな、、、



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