家にいた頃、

 

母と向き合って、どうでもいいおしゃべりをすることはなかった。

 

料理をしている私に母が話しかけ、

 

「うん、うん」とか「へえ~」とか、

 

テキトーな相づちを打ちながら、

 

一方的に話を聞くだけだったんです。

 

母が施設にはいって、

 

週一で会いに行くようになって、

 

初めてふたりでいろんなことを話しています。

 

母の気がかりのひとつは私の東京の家。

 

「家はどなんしたん」

 

「どーもしてない」

 

「閉めたままでは家が傷む。。」

 

週に一度は子供の誰かが来て、窓を開けたり水を流したりしてくれていると説明。

 

「ほんなら良かった」

 

安心した顔になるんですが、

 

5分か10分後には「東京の家は・・」と始まる。

 

私は同じ返事を繰り返す。

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母のもうひとつの気がかりは、

 

「そいであんたはここで何をしよるん?」

 

「ご飯作ったり、草を抜いたり」

 

片付けに精出して母の溜めこんだ物をどんどん捨ててることは内緒(笑)

 

母は私が無意な日々を過ごしているように思えるらしい。

 

「仕事は?」

 

「仕事はもうやめた」

 

「また始めたらええでないん」

 

「会社を閉めたからもう無理や」

 

「翻訳したらええでないん」

 

どうしても私に何かさせたいらしい。

 

これも何度も繰り返す。

 

私は根気にだけは自信がある。

 

苛立ちもせず、同じ会話を同じ調子で繰り返してます。

 

翻訳なんて、もう出来ないし、興味もないけど、それは言わない。

 

うん、そうやな~とあいまいに濁してます。

 

つまり母の気がかりは私のことなんですよね。

 

母は自立していると思っていたのに、

 

娘の人生を自分に重ねていたのか。。

 

あるいは愛情のなせるわざ?

 

私としては呑気な顔で何度も何度も繰り返される母の話相手をしています。

 

これが私にできる介護かもって思います。