「まったく、ダークネス・キングのせいで、パステル・ワールドは未曽有の大混乱じゃ」

少女のような声が空間に響き渡った。

その空間とは、白い世界。

目が開けられないほどの、白。

雪の照り返しのように、人間なら目がおかしくなるような。

「グリーンよ、目をあけい」

すべてが消滅したと思ったグリーンだったが白い世界にフヨフヨと漂っていることに気がついた。

「ここ、どこ?」

「よけいな詮索はナシじゃ。わらわの問いに答えい」

グリーンはあたりを見回したが、ただ真っ白で、誰もいない。女の子の声が聞こえるだけ。
でも女の子というにはちょっと喋り方が独特だった。

「グリーン。ぬしは今、中途半端な場所におる。わらわのフィールドに捕らえたから良いものの、このままでは緑色自体が消滅するやもしれん」

「あなたは?」

「余計な詮索はナシと、いうておろうが」
声の主は、改めてグリーンに問う。

「今、まだぬしには意識があるようじゃの。どうじゃ?侵色などという行為を改める気があるならば、ミラーオーブをぬしに渡すことも出来る」

「ミラーオーブ?」

「ミラーはパステルガァル!どもと一緒じゃ。ダークネス・キングのアホウが人間界に干渉している間は、わしもパステル・ワールドに戻るわけにはいかぬ。
ちょうどグリーンのオーブもこうやってパステル・ワールドに帰ることが出来ず漂っているわけだしのう。皮肉にもミラーが作れるというわけじゃ」

「…言ってることがわからないわ」

「わからなくてよいわ。愚痴じゃ。愚痴ぐらい聞け」

なんなのかしら(T_T)、とグリーンは浮きながら思った。

「おぬしに宿っていたダークネス・パワーも朽ちた。当然ぬしの力は弱くなる、それでもパステルガァル!たちと共に戦う気はあるか?という意味じゃ」

衝撃的なセリフに思わず、グリーンは体を起こした

「戦うわ!」

「ひどく困難な道じゃ。ここでコトがおわるまで、おとなしく待っている選択肢もある」

それはパステルガァル!たちの戦いが終わるまでじっと待ってろという意味だろうか?

だとしたら、それは絶対にイヤ。

「わたしは、戦いたいの!ちえりちゃんとみんなと一緒に…例えどんなに困難でも!」

「ぬしも人間の感情に魅せられたアホウのひとりじゃな。これで三色目か」

白い光りが増す。
グリーンは自分の姿すら見えなくなった。

「行くがよい。このミラーオーブとともに。ただし、主のチカラはパステルガァル!のように人間には宿せない。
あくまでガーディアンとして、パステルガァル!になるんじゃ」


そこで、目の前に広がる白い世界が、グリーンの前から、消えた。