「ダークネス・グリーン・ウィップ」
トゲトゲのついたムチを、目の前のちえりに対して構えた。

ちえりの瞳はジッとグリーンを見つめていた。

グリーンは、まともにちえりの目が、見えない。

「わ…悪かったわね、騙して。わたしはかえでじゃなくて、ダークネス・グリーンだったの、あなたの敵。だから私はあなたを倒すの!」

ダークネス・グリーンの息が荒い。

「ちえり様!」
「くそ、今行くぞ!」
ハニーとバーミリアンが動こうとする。

「待って!ちょっと、まだ待って」
ラピスが制した。

対峙するダークネス・グリーンとちえり。
ちえりが口を開く。
「うん。知ってたよ!」

「し、知ってた?」

「みどりのおねーさんが、かえでちゃんでしょ?そんなのはじめから、ちえり知ってたよ」

「ち、ちえりさん…」
ぱれっとも驚く。

そして瞬間、静寂する。

「うふふ!嘘言わないで!だったら敵である私にハナからパステル・オーブを渡さないでしょう!」

「かえでちゃんは敵だけど、お友達だよ」
ちえりはそのままダークネス・グリーンに近付くと、満面の笑みを浮かべた。

「知っていた、のに、私をうけいれたの?知っていたのに、私をトモダチだというの? 知っていたのに、パステル・オーブを渡したの?」
怒ったグリーンの表情がみるみるうちに崩れていく。

「『緑』は仲良しの色だよね。だから本当はかえでちゃんはみんなと仲良くしたいんだよね」
ぱれっとは昨夜一緒に「色・判断」を読んでいたちえりとかえでを思い出した。


ダークネス・グリーンは武器であるムチを落とし、そのまま崩れ落ちるように尻餅をついた。

「なるほどな、ラピスラズリが言った『チェリーが秘密兵器』たる意味はこれか。ダークネス・パワーを無効化するチカラとは!」

ならば!と正にその矛先をちえりに向ける。

「レッドまで一気に行くわよ!」
ラピスが叫び、3人のパステルガァル!が電光石火で動く。

「ちえりとやら、貴様を消す!」
大きなモーションでゆっくりとちえりに向かって槍が振り下ろされる。

「バーミリアン!」
ラピスが叫ぶ。

「朱炎拳!」
ちえりを避けるように斜めに飛びながらバーミリアンが炎の玉を放つ。

効かなくていい、あの槍の先を一瞬ちえりから反らせれば!

ドゥン!

矛に命中し、一瞬槍の先の軌道が変わる、がそれでもまだ、攻撃範囲内にちえりが入っていた。

「間に合わないですわ!ちえり様ぁぁぁ!」
「ちえりさーん!」
ハニー、ぱれっとが絶叫する。





「ダークネス・グリーン…貴様…」
驚愕しているのは、ダークネス・レッドだった。

彼の槍、ダークネス・レッド・ピアスは
ちえりではなく、その前に立ちはだかったダークネス・グリーンにヒットした。

ちえりを守ったのだ。

「か、かえでちゃん…!」
ダークネス・グリーンは槍の一閃を、両手で抑え、防いだかのように見えたが、その槍の先端は彼女の腹部にあるダークネス・オーブに刺さり、ヒビが入ってしまった。
その衝撃で倒れ込むグリーン。

ダークネス・オーブは彼女たちダークネス・ガーディアンの心臓。
砕ければ、ガーディアンはパステルワールドに強制送還され、2度と人間の世界には戻って来れない。

「馬鹿なことをやはり裏切りものか、ならば散れ!貴様など役立たずだ!」

ちえりは地面に落ちたパステルオーブを拾うと、叩き、チェリー・ステッキを出した。

「みんな、かえでちゃんを連れて逃げて!ちえり戦う!」

ちえりは瞬く間にパステルガァル!になった。
「グリーンを逃がすだと?逃がすものか!」
レッドが一歩前に出る。

「にがす!」
ぶあっとパステルチェリーから桜色のオーラが出た。