猫は人工的な化学物質に弱いのです。

 

以前にも書いたように、人間では何も症状がでない程度の薬物量でも、猫は過敏に反応してしまいます。

 

 

私達が日々使っている日用品にも、人工的な化学物質がふんだんに含まれています。例えば、歯磨きペースト、シャンプー、洗濯洗剤、鍋つゆ、食パン…

そして一番気をつけなければならないのは、揮発性(空気中に拡散してしまう)化学物質です。柔軟剤、消臭剤スプレー、香水、ヘアスプレー、防水スプレー、防虫剤、殺虫剤…

 

薬も人工的な化学物質です。これらは動物にとっては異物なので、体内に入ると主に肝細胞内やその他の組織内で酵素反応により代謝されます。代謝してなるべく小さい分子にして水に溶けるように出来たら、尿として体外に出します。 あまり水に溶けないものであれば、胆汁に混ぜて便として体外に出します。

 

 

もし、代謝できないような物質だと、いつまでも血液中を漂うか、あるいは脂肪組織などに取り込まれて、そこに蓄積していきます。

 

猫は、この化学物質を水溶性にする能力が、ヒトよりもかなり劣っていることがわかっています。ですから、ヒトでは症状の出ない量の薬物でもなかなか体外に排出できずに、重い症状がでます。

 

化学物物が液体や固体の場合は、口から消化管を通って体内に入ることになりますが、揮発性である場合は、鼻から肺を通って血液中に、そして体内に入ることになります。あるいは、皮膚から直接浸透していきます。このとき、猫の皮膚はヒトや犬のそれよりもずっと薄く、化学物質が浸透しやすくなっています。

 

さらに、皮膚や被毛に付いた化学物質は、猫のグルーミングによって舐め取られて、口から消化管に入ってしまうことになり、その化学物質の摂取量が多くなってしまうのです。

 

 

また、猫は赤血球も化学物質に反応して酸化しやすく、酸化すると破れて壊れてしまいます(溶血といいます)。溶血すると赤血球が足りなくなりますし(貧血ですね)、赤血球の中に閉じ込められていたビリルビンという、毒性のある物質が体中を巡って全身の臓器を痛めつけます。

 

このように、いろいろな条件が重なって、猫は化学物質に弱いのです。お部屋の中の、特に揮発性化学物質には気をつけてくださいね。

 

まとめますと…

 

・猫の肝臓の解毒能力は、他の動物よりもかなり劣る

・猫の皮膚はヒトや犬よりもずっと薄く、揮発性薬物を皮膚から吸収しやすい

・猫の皮膚や被毛に付着した化学物質は、グルーミングで舐めとり口から吸収してしまう

・猫の赤血球も毒物で酸化されて壊れやすい(溶血しやすい)