高残香性柔軟剤、消臭除菌スプレー、家庭用洗浄剤による伴侶動物の健康被害を、小動物臨床の獣医師専門雑誌に掲載していただきました。

原稿をそのままSNSにアップする許可が下りませんでしたので、以下に症例のご説明を簡潔にいたします。香害…正確には、高残香性柔軟剤、消臭除菌スプレー、家庭用洗浄剤による健康被害です。どんな症状が出るのかのご参考になさってください。

 

柔軟剤の症例1

高残香性柔軟剤を使用するようになった家庭で飼われていた猫が、流涎、斜頸、元気食欲の低下で来院。肝酵素値の上昇、腎機能の低下が認められた。高残香性柔軟剤の使用を中止したところ、症状は改善した。

 

柔軟剤の症例2

同様に、高残香性柔軟剤の使用を開始した4日後に、意識混迷で横臥したまま連れてこられた猫では、血液検査で白血球数の増加、軽度の貧血、肝酵素値の上昇、腎機能の低下が認められた。入院治療で3日後に意識回復し、初日の血液検査の異常値はすべて改善が認められた。自宅での高残香性柔軟剤の使用を中止して退院とした。その後数年が経過するが再発は無い。

 

柔軟剤と除菌スプレー症例

飼い主は、非常に強力な高残香性柔軟剤、高残香性洗濯用洗剤を使用し、香り付きの消臭・除菌スプレーをこまめに、ありとあらゆるものに噴霧していた。洗濯物はサンルームに干していたが、飼っているペキニーズは好んでこのサンルームで昼寝をしていた。その3年間、ペキニーズは時折『キューン、キューン』と鳴き出してうずくまり、呼吸困難となるという発作を繰り返していた。常に眼脂・流涙もひどく、治らなかった。その後、飼い主自身が化学物質過敏症を発症したため、これらの使用をやめたところ、ペキニーズの上記の症状も全て消失した。

 

塩素系洗浄剤の症例1

飼い主が、浴室で塩素系洗浄剤をスプレーしている様子を後方で見学していた猫が、翌日より元気食欲の低下、虚脱、徐脈を認めた。血液検査では軽度腎機能の低下があり、入院治療とした。入院3日後に呼吸困難となり、6日後に胸水が貯留した。各種の検査により、呼吸器障害による急性肺高血圧症に陥ったと診断した。その後は回復し、以後3年間再発は無い。

 

塩素系洗浄剤の症例2

呼吸促迫、元気消失のため来院した猫は、血液検査で異常は認められなかったがレントゲン検査にて肺野全域が白くなっていた。入院治療としたが、原因不明のため治療も手探りで、12日後に死亡した。再度の飼い主への問診で、初日に猫のいる近くで、塩素系洗浄剤を用いて電化製品の清掃をしていたことが明らかとなった。