先日、駅前のとんかつ屋さんに行った時のこと。

何を食べようかなぁと思って、店の前に置かれた看板を

見ながら迷っていたら、僕の横をスルリと割り込むように、

水色のキャップをかぶった、いかにもAKB48に会うために

茨城から駆けつけました的なオッサンが店に入ったんです。


べつに、僕はまだ何にしようか迷っている段階だったし、

「割り込むなよ!」って言うほどでもなかったんですけど、

「よし、豚汁定食にしよう」と思って、店の中に入ったら、

僕の前に割り込んだ、水色キャップのAKB男が食券の

券売機の前にいたんですね。


「オマエ、人の前に割り込んで入っておいて、

券売機の前で迷ってたら、ぶっ飛ばすからな!」


そう思いながら、待つこと1分30秒・・・。

僕がわざわざ店の前の看板でメニューを選んだのは、

券売機の前で迷っていたら、後ろの人の迷惑になると

思ったからです。なのに、コイツは今、割り込んでおいて、

1分30秒も迷ってやがる!


「ブチッ!!」


・・・っと行きそうでしたが、ここはなんとか耐えました。

こんな時の1分30秒は、体感時間的には3分にも5分にも

思えるものですが、こんなところでキレたら、どんだけ器が

小さい人なんだと思われます。小ライスも盛れないぐらいの

器の小さい人だと思われたら、女のコに嫌われますよね?


すると、ついに決めたのか、水色のキャップをかぶった

AKB男が動き出しました。おもむろに財布の中から

取り出したのは、夏目漱石!


敏感な方なら、もうお気づきでしょう。

今の1000円札は、ほとんどが野口英世が主流ですよね。

今でも、ごくごくたま~に夏目漱石が紛れ込むことは

ありますが、もうほとんど漱石先生の姿を見ることは

なくなったのではないでしょうか。逆に貴重ですよ!


そんな漱石先生を券売機にイン! しかし、吐き出される。

もう一回、漱石先生をイン! しかし、やっぱり吐き出される。

「あれ? おかしいなぁ」みたいなことを10往復ばかり。

・・・・・・ブチッ!!


「野口を使えや!」


ヤベェ! 言ってしまいました。声に出しちゃいました。

自分で自分の器の小ささにガッカリです。明日から僕の

あだ名は「小ライス」でかまいません。でも、受け付けて

もらえなかったら、普通は3回ぐらいで諦めるでしょう?

10回も往復させてたので、もう我慢なりませんでした。


こっちを睨みつけてくる水色キャップのAKB男。

「やんのか、コラァ! オメェみたいな弱そうなヲタ野郎、

俺の右ストレートで一発だぜ?」と、心の中で叫ぶ僕。

そこは声に出して言わないのがポイントです。


だって、僕はこの弱そうな水色キャップのAKB男を

さらに下回る、ザコキャラ・オーラを全開に放ちまくりの

根っからのイジメられっ子ですもん。ケンカはしません。

・・・憲法第9条! ・・・憲法第9条!!


すると、漱石先生を入れるのを諦めたAKB男は、

券売機に小銭を投入する作戦に出ました。

100円、200円、300円、400円、500円・・・と、

1枚ずつ細かく100円玉を入れて行くAKB男。


「コイツの空気の読めなさは、異常だな!」


マジでそう思ったその時、パッと振り返ったら、

僕の後ろに4人も並んでいました。並んでいるのを

見たことがないファーストフード的とんかつ屋なのに、

こんな大渋滞を作ったコイツは、逆にスゴい!


そして、100円ばかり7枚も入れ、700円を投入した時、

コイツが押そうとしていたボタンは、ロースカツ定食、

お値段は720円でした。


「20円足りねぇよ!」


しかし、コイツはボタンを押してから、ようやく20円

足りないことに気づき、もう一度財布を取り出して、

20円をゴソゴソやった後、20円がなかったんでしょうね。

結局、また漱石先生の1000円チャレンジに挑戦しました。


「だから、野口を使えや!」


もうね、思いっきりツッコんでやりましたよ。

もう器が小さいと思われようが関係ありません。

コイツの空気の読めなさの方が、僕の器の小ささより

圧倒的に問題視されるべきです。野口を使え、野口を!


僕の言葉に、ようやく目覚めたのか、野口を使って

980円の釣銭を、これまたぎこちない感じでモタモタと

取りやがった水色のキャップをかぶったAKB男は、

気づけば、僕の後ろの10人ぐらいの大渋滞を作る

大迷惑っぷり。僕は後ろの人のためにマッハで

券売機のボタンを押し、無事、豚汁セットを食べました。


すると、お店の人が気を利かせたのか、それとも僕の

豚汁セットが簡単にできるものだったからかは

わかりませんが、AKB男より、僕の方が先に

テーブルに運ばれてくる不思議を体験しました。


きっと、お店の人に器の小ささを

見破られたんだと思います。はい。


「あの人、すぐキレるから、先に出しといた方がいいよぉ!」。

ついに僕も、そんな気遣いをされる人になってしまいました。

カルシウムが足りませんね。牛乳に相談だ!