こんなに泣いたのは久しぶりです。
ですがこの映画は
悲しみを全面に押し出して
泣け泣けと言わんばかりの映画
というわけではありません。
終始、優しくて、切なくて…。
久しぶりに感想を載せようと思ったのには訳があります。
それは最後のシーン。
伸子さんが亡くなってしまうところ。
息子の浩二(幽霊)が「もうこの家には来られないかもしれないよ」と言うと、伸子は「それは困る。あんたが死んでから何に対しても嬉しいと思えなくなったの。もう二度と来られなんて絶対言わんで」と悲しそうに言います。
すると浩二は「僕がこの家にもう来られんでも、母さんはもう僕とずっと一緒だよ。母さんはもう僕たちの世界に来ているんだ」
そう。その時に伸子は死んでしまったのです。
すると伸子は「ほんと?じゃあこれから、未来永劫、ずっとずっと、あんたと一緒にいられるの?嬉しか…!ほんとうに嬉しか…!」とそれはそれは嬉しそうな笑顔で言うのです。そして浩二と手を取り合い、軽やかに起き上がって歩いていくのでした。2人の表情は明るかったのです。
その後伸子の葬式のシーンも映ります。伸子と特別親しかった者たちは、悲しみに暮れ泣いています。ですが、当の伸子(幽霊)はとっても明るい表情です。息子の浩二と寄り添って歩いて本当にうれしそう。
また伸子が亡くなっているところを見つけた隣のおばさんが「伸子さん、たった1人で死んでしまったの?なんてかわいそうに、本当にかわいそうに」と何度も言うシーンが印象的です。でも本当は、息子の浩二と一緒に手を取り合って、本当に嬉しそうに旅立ったのでした。
もちろん、なんとも切なくて悲しい場面なのですが、少し救われる思いもありました。残された者たちは死んだ人を思い、悲しみ乗り越えて生きていきます。でも、死んだ人は意外と、こんなふうに、苦しみから解放されて、楽な気持ちで行くこともあるのかもしれません。そう思うと、なんだか救われる気がしました。
