時々、『私は恋愛する年齢じゃないから大丈夫です。若い人が騙されるのよね。』と仰る方がおられます。
これは誤認識です。
1. 数字は語る
統計的裏付けのあるデータによると、英国の犯罪心理学研究者で国際ロマンス詐欺についての研究の第一人者であるMonica Whitty博士の研究論文も、また2018年に実施して2019年に発表された『ストップ国際ロマンス詐欺』による日本の被害者の現状調査も、一貫して40代以上が多いという結果が出ています。また、ファクトベースでいくと、2018年11月に報道された仙台の被害者女性は60代。2019年3月に1000万円横領で逮捕され、同年6月に実刑判決を受けた被害者女性も逮捕当時66歳。60代・70代でも狙われます。また、若い人が全く国際ロマンス詐欺に遭わないというわけではありません。アンケートの回答者には20代で被害に遭われた方々もおられます。(詳しくはリブログの記事をご参考に)
2. なぜ40代以上が狙われるか
詐欺を働く人々の目的が何かを考えれば答えは簡単です。
詐欺師の目的はお金、セックスじゃないのです。ターゲットが若者である必然性はないわけです。
お金の取れそうな世代を狙うのは、ビジネスとして犯罪をおこなっている組織犯罪ですから、当然のことです。
40代~50代:ある程度年数働いていて、それなりの職場での地位を形成しており、それなりの給料をもらっていると期待される働き盛り、もしくはその配偶者で、ある程度自分の意思でお金を使えると推定できる層。
60代以上: すでに退職し、蓄えを持っているシニア層。
被害額が大きくなり得るので、詐欺団にとっては魅力的なターゲットです。(グラフは2016年のブログ記事に使った2014年のFBIの統計)
『年齢的に恋愛対象ではないから大丈夫』と考えていた方が、『普通な、どちらかというとイケてない感じの初老の紳士』の写真を使った詐欺師にSNSで声をかけられ、性的な話も何もなく健全なやり取りをしていたため長年培った『人を見る目』を信じて送金まで至ってしまうということもあります。例えば以前のブログ記事で紹介しているDr Phil Showの2013年に放送されたロマンス詐欺(Catfish)を扱った回で"Where they duped?"でも、『こんなによいことを書いてくる人が詐欺師のはずない』と被害女性が言っていました。
国際ロマンス詐欺被害に遭う可能性はどの年齢層でもありますが、特にターゲットにされているのが40代以上であることをぜひ知ってください。そして既婚かどうかは関係ありません。詐欺団の目的は交際やセックスではなくてお金ですので。
60代以上を狙った国際ロマンス詐欺も少なくありません。

