インターネットを使って誰かほかの人の写真を使った偽プロフィールで近づいてくる国際ロマンス詐欺師。その写真が他人のものだとわかると相手が詐欺だと納得する被害者の方は少なくありません。しかし、その写真が盗用されているとわかった時、写真の人にコンタクト取りたいという衝動にかられる被害者の方は少なくありません。国際ロマンス詐欺被害者の方々には写真の人とコンタクト取らないようにアドバイスしていますが、残念ながら様々な動機からコンタクト取ってしまう方々はおられます。

 

では、写真を盗用された方々は、自分の写真盗用や、それに伴う詐欺被害者からのコンタクトについてどんなことを言っているでしょうか? 『写真の人は何と言っているか』というシリーズを毎週火曜日リリースしてきましたが、今回でしばらくこの連載はお休みします。(また機会があれば、他の方々の声をぜひ掲載してゆきたいと思います。)

 

■ romancescam.com のWhat the REAL owners of the pictures say (写真の人は何と言っているか)のテキストマイニング

 

 Romancescam.com という国際ロマンス詐欺の詐欺情報と詐欺の手口などについての教育・被害防止の啓蒙などを目的としたサイトで、『写真の人が何と言っているか』という会議室があります。ここでは写真を詐欺師に使われてしまった方々がサイトの管理者に送ったり自分の写真を使った詐欺のスレッドに書き込んだ内容を公開しています。写真掲載へのクレームや写真掲載により注意喚起しているサイトへのお礼、被害者へのメッセージなど様々な内容が含まれていて、2012年から現在まで続いています。

 

 このフォーラムの会議室から、写真を盗用された方やその関係者が何と言っているのかをテキストマイニングしてみました。

コメントしている人は『写真の人の性別』で女性26名、男性117名。本人によるコメントが116件、配偶者18件、配偶者以外の家族と友人が5件、そして被害者が4件(うち1件はその被害者もなりすまし被害を受けた)。

 

 これらの人たちからのコメントを共起ネットワークという図で表わしてみました。共起ネットワーク図とは、 抽出語またはコードを用いて、出現パターンの似通ったものを線で結んだ図のことです。○の大きさで語の登場頻度、線の太さで単語どうしの結びつきの強さを表します。

 

 これを見ると、写真を使われた人やその家族などがどんなコメントをしているかがわかります。この図で緑色と黄色(右側の部分)を見ると、一番多いのが「自分の写真が詐欺師に使われてたこと、そして詐欺師にお金を送らないようにと伝えていることだと分かります。下のほうにあるのが、夫の写真がサイトにあることを知ったことや、軍属の時の写真が使われていたこと、女性からコンタクトを受けたこと、偽プロフィールをデートサイトやフェースブックで見つけていることなどが見られます。

 

 テキストマイニングの結果からフォーラムに書かれたメッセージを統合すると、『自分(または自分の配偶者)が本物で、被害者とやり取りしていたのは偽アカウントであり、被害者に起きたことは自分は知らない。自分は結婚していて幸福である。写真は古い物、詐欺被害者から連絡がある(これに関しては時としてネガティブ)、被害に遭った方々は気の毒でだ、絶対知らない人に送金しないように』という感じになります。また、偽アカウントがあったら自分かあるいは掲載サイトの管理者もしくはSNSの管理者に連絡するようにというメッセージもあります。そして、電話をしないでほしいというのも若干あります。

 

ここで極端に酷い例を一つご紹介します。(リブログした記事から再掲載)

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『私の妻が電話を受けましたが、電話には出ませんでした。そのあと、私を見つけ出そうとしている女性からテキストメッセージが届きました。私の妻が何とかしてくれるだろうとでも思っているようでした。

 

プロフィールでは、「私」が「男やもめ」ということになっているようです。

 

リクエストしてくるのが、自分の王子さまを探し出したと思い込んでいる愛に狂った女性たちでなければと切に思います。私の妻が何とか機転を利かせてくれて、その電話の件は何とかおさまりました。以来、私はヨーロッパの女性からのフェースブックのリクエストに警戒するようにしています。なぜなら彼女たちは、私が彼女たちの相手ではないということを全く理解していなくて、軍部に連絡すると脅して来たり、私の母にまで電話してきたからです。彼女たちの幾人かはブロックしました。いちばん迷惑なのは、頭のおかしな女性たちが裸の写真を私のタイムラインに投稿してくることです。そういうものはプライベートメッセージで送るべきでしょう。

 

お願いですから詐欺師のメッセージや電話をすべてブロックすることに力を尽くしてください。』

 

もう一つご紹介します。

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このサイトに投稿するつもりはなかったのですが、とんでもないことになってます。

私は(本名)です。私は自分の写真がロマンス詐欺で使用されていることを知っています(もう6年も間続いています)。

私はそれに対してできる限りのことはしてきました。陸軍の犯罪捜査機関や私立探偵や法的期間など。

 

関係者全員にとって、すべてがおぞましい悪夢でした。詐欺に遭った場合は申し訳ありませんが、正直に言いましょう。私はあなたたち(サイトのフォーラムの彼の写真のスレの人々)をだましていません。.私に電子メールを送ったり、フェースブックの友達リクエストをしたり、毎晩夜中に電話をかけてきたりしないでください! そして長距離をドライブして我が家のドアをノックするようなことをしないでください。(一回だけではありませんでした!) 私の結婚生活を脅かしています。あなたたちが話していたと信じる人は存在しません。私はあなた方を知らないし、愛しているわけではありません。私と家族をそっとしておいてください。感情的に金銭的に傷ついたあなたたちに無関心であるわけではありません。本堂にひどいことが起きたと感じますが、私に怒鳴りつけて私を脅迫するように私に電話するのをやめてください。私はあなたのお金を取ってあなたの心を壊したわけではないのです。それから詐欺師ども、Facebookで友達にすることはやめた。お前らの家族全員がマラリアで死ぬことを願っている。


これらの詐欺師どもは2006年から私の写真を使っています。あなたたちが被害に遭った他ことは気の毒に思います。それが一生に一度だけのことであることを願っています。私の生活も毎日脅かされています。私は3回引っ越しました。固定電話はもう所有していません。何も悪いことをしていないのになぜ私はこんな目に合わなければならないのでしょうか。私はお金をだまし取っていないのに、被害者の家族からお金を返すようにと要求され、死の脅威を受けています。私は数え切れないほどの時間を費やしてCIDステートメントと「証拠」を人々に伝えてきました。申し訳ありませんが、これ以上のことは私にはできない。私はアフガニスタンに行ったことがありません。

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写真の人物の居所が比較的簡単に見つかる場合、その人たちはこの紹介した2件のような恐ろしい経験をしている可能性もあります。そうすると、本当に純粋に『写真が詐欺に使われている』と伝えたいだけの場合でも、写真の人や家族にとっては「またか」と感じるような不愉快なものであることもわかりますね。

 

テキストマイニングの結果から特に目立つのが、青緑と黄色の●で表わされている部分です。

  • 写真を盗用された方々(やその家族・関係者)は何らかの形で写真盗用を知っている。自分の写真が盗まれ、詐欺師がその写真を使ってアカウントを作成したことを知っている。(青緑)
  • 知らない人に絶対にお金を送らないようにしてください(黄色の部分)

『写真の人は何と言っているか』で紹介してきたビデオメッセージも、皆さんが『私は詐欺とは関係ないです。インターネットで知り合った、実際に会ったことのない相手にお金を送らないでください』とおっしゃっていました。

 

ここで写真を詐欺に使われた人たちに対してどうすべきかをまとめます。

  • 本人が連絡ほしいと言っている場合は連絡しても良いが、但し写真の人の目的は詐欺被害者との交友ではなく、自分の偽アカウントの撲滅であることを念頭に置いて節度のあるコンタクトの仕方をするべき。自警団長になってあげる必要はありません。報告だけをビジネスライクにします。特に男性の場合、既婚者というケースが少なくありません。女性の場合は若いモデルさんなどプロが多いので、連絡を受けるのは芸能プロダクションのスタッフだと考えてください。
  • 写真の人の職場や自宅などに電話すべきではありません。迷惑です。彼らのプライバシーを尊重してください。
  • 多くの場合写真盗用を既にご存知であるため、コンタクトを取って知らせてあげる必要はありません。連絡しないでそっとしておいてください。写真の人とその家族は被害者から次々とくる連絡に嫌な思いをしていることが少なくありません。そしてデジタル写真の盗用を彼らには止めることができません。