2017年はScam Baitingのストーリーの連載で読者の皆様にはおたのしみいただきました。

 

Scam Baiting、今はやっていません。たまにする場合は、以下の目的です。

1) 詐欺情報をサイトに掲載することが出来る情報をゲットするため。

 詐欺被害者の方が詐欺情報を十分に提供したがらないことがあります。例えば大事な写真を下さらないなど。その場合自分でゲットして、自分が得た情報を掲載したことが何度かあります。メアドだけ下さったので、サイトに掲載した写真も詐欺師のメッセージも全て私の偽キャラがゲットしたもの。情報を躊躇する被害者から頂いたものは一切なし。

2) 実験として。

例えば詐欺師に詐欺だとわかったと伝えたらどうなるかを実験してみたり、一日100人の男が繋がりリクエストして来たら、どんな奴らが押しかけてきているのかを見たりなど。自分の仮説を証明するに十分な実験が出来ました。

 

当然ですが目的を果たしたらそれ以上関与しません。

 

Scam Baitingを止めた理由は以下の通りです。

 

1)Baitingは詐欺師のスキルを向上させてしまう。

 

あなたがお店を経営していたとしましょう。クレイマーの客がいて、いろいろ文句を言ってくる。あの手この手で嫌がらせをしたり、支払いを遅らせたりする。経営者としてどうしますか?

 

勿論その客を締め出すこともできます。しかし、すぐに締め出したらどこに訴えられるかわからない。よくあるクレームに対して対策を練るでしょう? それから、クレイマーから学べる点があればそれを適用するでしょう? 店員の応対が悪いと言われたら店員のトレーニングをして客に失礼のないようにするでしょうし、商品の棚が汚れていると言われたら掃除の頻度を増やしたり掃除の方法を変えたり。

 

同じことがScam Baitingでも言えます。詐欺師が被害者を揶揄する「Mugu」(愚か者)という言葉の他に、丁寧な用語では「クライアント」という隠語があるんです。つまり、被害者は詐欺師に法外な金を払ってくれる「顧客」。だとしたら、Baiterは金を払わず彼らを振り回すモンスターのクレイマーです。クレイマーが絶対送金しないだろうと詐欺師が確信するまで、何とかしてこの難しい客から金をとろうと詐欺団はあの手この手で努力を強いられます。詐欺師は絵を書かされたり、書類を作成させられたり、借用書を書かされたり…Baiterが使う言い訳や、送金できない物理的・法的な理由を何とか解消しようと詐欺師も躍起になる。うまくいかなくてキレてしまえば学習の機会を失うかもしれないですが、忍耐してBaiterの言うこと聞いてあれこれするなら、詐欺師のスキルアップにつながってしまう可能性がある。

 

国際ロマンス詐欺の被害者の数のほうがBaiterより圧倒的に多いのです。だからほんの一握りのBaiterが遊びで数グループの詐欺師を振り回したところで、たかが知れた人数かもしれません。しかし、ミチコやタマコなど、私の偽キャラで虐められた詐欺師はいくらか強化されているかもしれません。これはするべきじゃないなと思いました。

 

しかしScam Baitingをしてみて、よかったこともあります。私のように被害に遭っていない人は、被害者が詐欺師と接する際の状況など理解できません。

 

例を挙げると、チャットでの詐欺師のちょっとした間の置き方に「感情の変化」などを感じ取ったという被害者の方がおられました。「あなたは詐欺師とチャットなんてしたことがないのでしょう? だからわからないのよ。この間の置き方から彼が私を愛してるって感じたの」などと言われたことがあります。Baitingしたことがあれば、「チャットはしましたよ。だから言えるんですけれど、詐欺師のちょっとした間の置き方は感情じゃなくて別の被害者とのチャットでチャットウィンドーがお留守になってただけです」と説明できる。

 

2) Baitingは自分の時間をかなり奪われる。

詐欺師は被害者を支配します。Baiterは逆に詐欺師を支配する。都合が悪い時は出張とか旅行とか言ってチャットをオフにして居留守を使う。とはいってもかなり時間が奪われます。真夜中のチャットなど絶対応じないですが、それでもこういう反応があったらこうしようとか戦略を練る時間も必要です。そもそもそこまで時間と労力を注ぐ価値のない連中とやり取りする必要もない。自分の時間を大切にしたいですね!

 

3) Baitingはお金を取らないが、ノウハウは詐欺師と同じ。

偽キャラのメアドを作って、写真を用意して、偽アカウントを作成し、詐欺師に狙いを定める。これって詐欺師と同じことやってることになる。やはり続けるべきじゃないですね。

 

 

ビデオはYoutubeに投稿されている、詐欺師がテディベアに入れた

お金を取りだそうとすると中身が空っぽだったというビデオ。

Baiterが紙屑を入れたテディベアを送って、開封するところを

ビデオにとるように指示していたらしい。こういう笑える意地悪は

見ていて面白いですが、結果として詐欺師がどのようにBaiterを

識別できるかを勉強させる結果になるのではないかと思います。