男性狙いの女性を装ったインターネット上のアフリカン系のロマンス詐欺手口について紹介しています。男性の方々に注意を喚起するため、このストーリーを連載しています。これは実際に偽キャラを使ってわざと詐欺師に見つけられやすい環境に偽キャラのフェースブックのアカウントを置き、そして釣り上げた相手とのストーリー展開を紹介するものです。本当の被害は発生していません。

第二章 進展


フローレンス
『今日は見つけたわ。お元気?』

和也
『元気だよ。君は?』

フローレンス
『まぁまぁよ。そちらは何時なの?』

和也
『朝の8時22分だよ。クライアントとの打ち合わせで出かけるところだ。長い時間チャットは出来ないよ。』

フローレンス
『Whatsappは持ってる? 持っていたらあなたのコンタクト教えて。そうしたらそちらにメッセージするわ。私の番号は+380(ウクライナの電話番号)』


和也
『いや、僕はWhatsappは使ってないよ。フェースブックやメールじゃだめなのかい?』

フローレンス
『それでもいいわ。メールは明日するわね。良い一日を』

和也
『よかった。君もよい一日を。』

フローレンス
『ありがごう、ハンサムさん。』

和也
(OKスタンプ)
『プリティ、君のメールを待ってるよ。またね』

フローレンス
『わかったわ、ハンサムさん、明日起きたらメールするわ』

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フローレンス
『こんにちは、ハンサム。夜はよく眠れた? ごめんなさい、メールが送れなかったの。ちょっといろいろと問題があって。しばらくはここでチャットしましょう。あなたのことをもっと知りたいわ。』

和也
『プリティ、君のメール、いつでも待ってるよ。』

フローレンス
『わかったわ。あなたのこともっと教えて』

和也
『こんにちは、プリティ。いいよ。僕は日本の北にある北海道に住んでいるんだ。貿易会社に勤めていたけれど、今は自営業だ。妻は10年前に亡くなって、息子が2人いる。上の息子は結婚していて、息子たち2人とも東京に住んでいる。だから僕はここ、札幌に一人で暮らしているんだ。君は?』

フローレンス
『それはすてきね。私は独身で結婚したことはないわ。ウクライナに住んでいるの。子供もいないわ。あなたは何を探し求めているの? 私はありのままの私を愛してくれる人をみつけて、一緒になりたいと思っているの。』

和也
『フェースブックは出会い系サイトじゃないよ。僕は相手を探したりはしていない。それに僕は君とお付き合いするには年をとりすぎていないかい? 君は若くて美しいから』

フローレンス
『あら、そうね。フェースブックは出会い系サイトではないわ。聞いてみただけ。でも、交際って年齢関係ないじゃない? それに私は年上が交際相手でも気にしないの。私は愛を求めているの。でも、ほめてもらってうれしわ。』

和也
『そうかい、連絡取り続けるのは構わないよ、プリティ』

フローレンス
『わかったわ、ハンサム』

和也
『君の仕事は?』

フローレンス
『地元のファーストフードで掃除をしているの。あなたは?』

和也
『自営業だよ』

フローレンス
『何を売っているの?』

和也
『売っているんじゃないんだ。アジアで技術的なビジネスを展開したい人にアドバイスをしているんだ。僕のクライアントは中小企業でね。』

フローレンス
『それはすてき。
あなたは私とどんな話題を話したいの?』

和也
『君はもともとウクライナ出身? それともほかの国から着たの?』

フローレンス
『パパがウクライナ人だったから、半分はウクライナなの。』

和也
『そうなんだ。じゃあお母さんは?』

フローレンス
『ママはフィリピンのマニラから来たの。』

和也
『そうだったのか。どおりで、君の写真はフィリピン美人みたいだから。
君はタガログ語を話すの?』

フローレンス
『ううん、タガログ語を学ぶ機会はなかったわ。私はウクライナで生まれて育ったんだもの。』

    

第一章と第二章で約1か月なのでした。なかなかゆっくりな進展、そして女性のほうから『お付き合い』を仄めかすのは月の後半に入ってからでした。

女性狙いの男性の成りすましの場合、ターゲットにされている人の友達や第三者が『こういうこと言ってきたでしょう、ほら、ここのサイトに同じ内容が書いてある。どう見たって詐欺だよ』と伝えれば『そうか…』と思うでしょう。

でもこの男性狙いの女性に成りすました詐欺師の場合、ここまでの段階ではどんなに友達や知り合いに『その女、怪しくないか?』って言われてもまだ決定的な怪しさが見えてこないかもしれません。

さて、決定的なのは写真です。女性の写真使ったこの種のロマンス詐欺の場合、たいていはアダルト系の女優さんやモデルさんの写真を盗用しています。中には素人モデルのYoutubeなどからの盗用もあるかもしれませんが。

この段階で女性を怪しいと気が付く人は少ないかもしれませんが、もし気が付いたなら、あるいは誰かから疑いをさしはさまれたり、Facebookのコメントなどから疑わしい点が見られたら、画像検索をしてみることをお勧めします。

ちなみに、このフローレンスを名乗る詐欺師の使っている写真は、米国フロリダ州のモデルのYuliana Avalosさんです。この名前でGoogleで検索かけると、彼女のナイスバディの写真の他に、彼女が起こした訴訟の記事を見つけることができます。Yuliana Avalosさんをはじめ複数の写真盗用被害に遭った方々がMatch.comという大きな出会い系サイトで偽のプロフィールに写真が不正使用されたことで、サイトに対して15億ドルの損害賠償を要求しています。

http://www.dailymail.co.uk/news/article-2512734/Model-Yuliana-Avalos-suing-Match-com-says-photos-led-man-suicide.html
http://www.businessinsider.com/yuliana-avalos-lawsuit-against-match-2013-11
日本語はこちら。
http://deaierabi.com/news/132903.html
http://deaierabi.com/news/132952.html

Yulianaさんの写真盗用で自殺者も出ています。
http://www.ibtimes.co.uk/yuliana-avalos-match-com-1-5m-lawsuit-524677
http://www.nydailynews.com/news/national/photos-posted-match-led-suicide-model-article-1.1527230

事件を要約すると、2010年、Al Circelliというニューヨークの70代の男性が、Yulianaさんの写真を使った女性とMatch.comで知り合い、女に金銭を求められ、送金し続けていましたが、ついに息子さんからもお金を借りなければならなくなり、自己破産に陥り、すべてを失い、失意のうちに自殺をされたということです。CircelliさんはAishaを名乗る女性(写真はYulianaさん)と1年以上にわたってオンラインで交際を続けていました。Aishaはお金が必要で、男性はガーナに送金し続けました。ちょっとした出費の手助けから始まり、資産を得るための費用、彼に会いに行くための費用など、いろいろ要求され続け、最初は数百ドルだったものがつもりに積もって5万ドルもに及んだそうです。

バックに見える値札やウィンドウの文字などを見ると、
写真が明らかにウクライナではなく米国であることが
わかります。