この種の内容をブログやフェースブックで書いていたり、もしくは掲示板運営していたりすると何度かご相談受けることがあります。ほとんどの方はアドバイス通り詐欺師との連絡を絶たれています。

scamwarners.comとかromancescam.com, romancescams.orgなどの大きな英語のサイトをはじめ、ほとんど全ての信頼できるAntiscamサイトでは詐欺師とのコンタクトを一切やめて可能な限りメアドや電話番号などを変更するなどのアドバイスをしており、それは日本の素人のブロガーや掲示板オーナーが勝手な解釈でアドバイスしているわけではないのです。

しかしながら、アフリカン詐欺の被害に遭われた方の中には、アドバイスよりもご自身のお考えのほうを重視なさり、結局相手がScammerであることを知った後も彼らとのコンタクトを続けられる方々もおられます。

アドバイザーが親族やごく親しい友人であれば、本当に力づくでも助けようとすることができますし、親族なら、ある程度強硬手段に出ることもできます。

しかしながら第三者である一個人のブロガーやネットユーザーの場合、被害を受けられた方のご意向がアドバイスと相反するなら、それ以上踏み込むことは出来ません。その方が自分で選択した道を進んで行かれるのを、この先起きる悲劇を知りながらも、想像しながらも、これ以上何もできません。

自力で何とか相手を探り、お金を取り戻したい。
自分で捜査して相手の居場所を突き止めたい。
彼はいい人だ、悪い奴らに使われてるんだ、だから助けてあげたい。
或いは国内詐欺と同じ要領で警察当局側が『まだだまされているふりをして今まで通りのやり取りをしていてください』と指示されている。

理由や動機は様々です。特に4番目だと、我々のような素人の言うことより警察の言うことに従うほうが賢明と感じるかもしれません。

コンタクト続けていると起こり得るのが、リカバリー詐欺の罠です。

リカバリー詐欺とは、既にインターネット詐欺でお金を騙し取られた人をさらにターゲットにしてお金を取るものです。

送金する人物だと分った時点で、インターネット詐欺師たちはさらにお金を絞り取ることを諦めないわけです。たとえ相手からの送金が詐欺と気づかれたからであっても、あるいは単にお金が無くなってしまっただけだったとしても。

被害者の方に対して、その方を騙した詐欺団か、別の詐欺団が接触してきて、失くしたお金を取り戻せるような話をしてくるのです。

よくあるのは、ナイジェリアのEFCC (Economic and Financial Crimes Commission)を装うものや、米国のFBIを装うものですが、それ以外の公の機関などを装うものもあるでしょう。それらの機関が、被害を受けられた方のことを知っていて、向こうから連絡してくるって、それだけでもおかしいとは思いませんか? 地元の警察に既に話をしている方であってもです。

また、お金を簡単に貸してくれるサービスの案内などが英文のメールで来るかもしれません。パスポート番号や個人情報でお金を簡単に貸してくれる等のおいしそうな話がやってきます。
 
そして、取られたお金の一部もしくは全額が戻ってくるといった話を、お金を取られた被害者の方は期待をしてしまうかもしれません。しかし、そのサポートの手数料としていくらかお金を請求されます。それを支払ってしまうと、さらに請求がエスカレートしてきて、補助金など一向にもらえないわけです。そして被害者の方がこれも詐欺であると気づくまでお金を吸い取られ続けます。詐欺被害者支援組織やサイトを名乗ってくる場合もあります。いずれにしても、何らかの形で手数料などを求められるなら、リカバリー詐欺です。このタイプのリカバリー詐欺では、お金が本当に戻ってくることはありません。

リカバリー詐欺メールの文例は英文ですがこちらをご参照ください。

騙した詐欺師と接触続けることで、詐欺のストーリーも続行します。関係者の弁護士や、メインキャラクターからお金が戻ってくるような話が飛び込んでくる。そして、その手数料が求められるという筋書きもありますが、被害者の方が本当に詐欺師から信頼を受けているとしたら本当にお金が銀行口座に振り込まれることがあります。そしてその一部を他に送金するよう指示されるでしょう。これはマネーロンダリングに他なりません。

そして、戻ってきたお金は詐欺師が払ったものではないのです。別の被害者が何らかの理由を説明されて口座に送金してきた。つまり、詐欺被害者だった人が、口座を提供することで今度は知らないうちに詐欺の共犯者にされてしまっているのです。

この場合、もっと悲しい結末が待っているでしょう。それは、マネーロンダリングや詐欺の共犯としての逮捕です。詐欺師はアフリカにいて、先進国の警察に捕まることはありません。一番最前線にいる、マネーミュールにさせられた元被害者が逮捕されるのです。お金を詐欺師にだまし取られた上にお金が戻ってくることを期待して口座番号を提供し、結果として詐欺の共犯やマネーロンダリングの疑いで逮捕、とても悲しい結末ですよね。


マネーミュール逮捕の記事
http://www.gainesville.com/article/20140103/ARTICLES/140109908?p=1&tc=pg#gsc.tab=0
https://au.news.yahoo.com/thewest/wa/a/26461568/woman-used-as-money-mule/

自分だけは大丈夫と思っている方、おられると思います。でも、相手にしているのは顔の見えないインターネットの世界を使った犯罪者です。素人が簡単に捜査できるものなら、彼らの犯罪は成功するはずないのです。

インターネットでやり取りしていた相手が詐欺だとわかったら、あるいは誰かからそう知らされたら、コンタクトをやめて、メアドなどの連絡手段を全て変更し、彼らからのあの手この手の接触を一切防ぐべきです。アフリカン詐欺師たちの言うことは嘘ばかりです。接触を続けても何の手掛かりになることも出てきませんし、さらに深みにはまるだけです。