長男の出生について、忘れない出来事は本来予定日であった12月の4日に起きたのです。
当日になっても全く気配のない嫁さんを助手席に乗せ、一歳になったばかりの娘を後部のチャイルドシートに乗せて検診に向かっていました。

  病院までもう少しというところで、道に猫が飛び出して来たのです。
急ブレーキを踏もうとしましたが、一瞬の判断で思い止まりました。
嫁さんのお腹や、後部の娘への影響が頭に浮かんだからです。
「轢いちゃった?」
と、驚く嫁さんに
「かも知れない…」

  病院に着いて嫁さんを車から降ろしながら
「何だか、今日だけは生まないで欲しいな」
「……だね」
  実際にはそれから十日も経過しての14日に生まれ、ホッとしたのですが…
でも後から誰かに聞いたら
「猫だって、轢いたら結構な衝撃があって解るよ」
と言っていたのでそれはなかったのかもしれませんが、忘れられませんね。




  第一子である長女の夜中の世話が大変だっただけに、年子で長男が生まれた時は
「気持ちをしっかり持たないと」
と、身構えたほどでした。
ところがこの子は、日中もよく寝るのに夜中もよく寝てくれるしミルクも充分に飲んでくれるしで、全く有難い息子でした。




  そして、起きている間もやたら機嫌が良かった長男に救われた時間は多い。
そういう意味では彼にはもう、既に親孝行をして貰っている。