山頂まで、一時間強という短い行程だが、岩場と長い階段で急登を進み続けるので、なかなかに辛い。
噂通りに今年は"紅"が濃い。
道東の山ではなかなか出会えない紅葉の色である。
標高を上げるほどに色が濃くなる景色に疲れも吹っ飛ぶ。
あっという間に黒岳ピーク。
しかし実はここからが、大雪山の本気。
なぜ、チングルマがチングルマなのか、これを見て納得。
初夏の花は白い桜みたいだが、秋になると綿毛が風車のようになる。
高山植物の中でもチングルマがもてはやされる訳にも納得。
花は花でそれなりに可愛らしいのだが、綿毛と紅葉は、他のどの植物よりも目をひいた。
石室の奥に進むともうひとつのピークがある。
桂月岳。
初めは行く気がなかったけれど、10分ぐらいで着くらしいので、なんとなく行ってみた。
いやいやいや!
なるほど、これが、カムイミンタラか!
カムイミンタラ。
アイヌ語で、神々の遊ぶ庭。
言葉は知っていたし、写真も見た。
だけど、実際に自分の目で見てみると、本当に感動する。
この景色の再現は、どんなに天才的な芸術家でも無理。
石室から桂月岳への道のりは人気もほぼなく、時々、チーチー!とナキウサギの鳴き声が聴こえる。
おお!あれは、ホシガラス!
秋の実りを懸命に岩場の影に運んでいるのだろう。
シマリスも登山道を何度も横切っていた。
もうすぐやってくる長い長い雪に閉ざされた冬に向け、秋は彼らにとって備えのために一番忙しい季節なのだ。
大雪山系は、やはりデカい!
どこを見回しても、山!山!山!
あの奥には、暴れだした十勝岳が鎮座する。
帰るのがこんなにも惜しいと思ったことはない。
羅臼側から上る羅臼岳の野性的なスケール(登山道の整備が最低限、熊の怖さが常に付き纏うゆえ)には敵わないが、秋の大雪山はそれとはまた違った神秘的な雰囲気がある。
もっともっと奥に進みたい衝動を堪えて、下山する。
小雨が降り、山の間から雲が次々と生まれ始めた。
紅葉の風景は一気に霧に隠される。
もう少し遅かったら、見られなかったな…
晴れ間はなかったけれど、紅葉は曇り空の方が映えると個人的には思う。
しかし、持ってきたカメラに充電器を入れるのを忘れたことがショックだった。
まあ、私の腕ではスマホも一眼も変わらんのだが。
08:14 7合目 リフト駅
09:22 黒岳
10:07 黒岳石室
10:21 桂月岳
10:49 黒岳石室
11:10 黒岳
12:15 7合目リフト駅
往復歩行時間 4時間10分(内休憩46分)
往復歩行距離 4.9km














