皆さま、おばんです!


以前のブログでも書いたことがあるのですが、

自分の宝物のひとつに、

創刊号から揃っている月刊「鉄道ファン」があるのですよ (o^-')b


歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-b05165

…正直言うと、震災で20冊ほどダメにしちゃったんですよね (ノ_-。)

だから全巻が揃っているというと、嘘になっちゃいますが。


鉄道ファン誌は情報誌ですので、

車両の解体等の記事で衝撃を受けたことはあるものの、

決して涙を流すことなんかはありませんでした。

そんな中でただ1冊、

読んで、悲しくて、泣いたことがある号があるのですよ。


古くからの読者の方は「あれかな?」って思ったかもしれませんね。


こちらの表紙の「鉄道ファン」
歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-c01207

1987年(昭和62年)1月号・通巻309号でした!


この頃はちょうど、国鉄の解体直前で、

ステンレス車体を纏った新型車両が全国にお目見えし、

片方では「ひょうきん電車」なる改造国電が、

次々と誕生していた時期でもありました。


歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-c01208

「ゆうづる」もまだ、現役だったんですね…。



鉄道ファン誌では毎年1月号に、

「鉄道写真コンクール」の発表が行われております。

この年が10回目でキャノンが主催、

広田尚敬先生や宮田編集長らが審査員となり、

厳正なる審査のもと、

この年も素晴らしい写真の数々が、紙面で発表されておりました。


美しいカラーページに、

これまた美しい写真が数多く掲載されているのですが、

そんな写真の最後に、

1枚のモノクロ写真が掲載されているのですよ。


今回の「鉄道写真コンクール」の準佳作作品で、

「ぼくの見た最後の電車」というタイトルの作品でした。


以下、鉄道ファン誌からの原文のままの転載です。


「ぼくの見た最後の電車」岩井吉雄
歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-c01209

この作品の撮影者である岩井吉雄君は中学生(13歳)で、白血

病のため9年間の闘病生活を送っていた本誌愛読者のお一人で

す。本誌の鉄道写真コンクールに応募したいため、最後の外泊

が許されて、痛み苦しみを押して撮影したのがこの作品で、本

人に代わって母親が応募してきたものです。鉄の柵に体を持た

せて後ろから母親が支えて、やっとの思いでシャッターを押した

そうです。本人はブルートレインを心ゆくまで撮影したかった

ようですがそれまでの体力はすでになくなっており、悲しむべ

きことに、この作品を撮った直後の8月15日に早逝されたとの

ことです。我々は鉄道写真コンクールに寄せられた熱意に心を

打たれ、また我々ファン仲間としての故人の名を永遠にとどめ

るために、ここに紹介させていただき、心からご冥福をお祈り

するものです。                         カレチ



岩井さんのこの作品、

コンパクトカメラで撮影した写真で、

後追いをしたと思われる113系電車が、

やや逆光気味に写し出されている1枚でした。


最近はカメラも完全にデジタル化され、

連写撮影が手軽に出来るようになりましたけど、

ひと昔前、フィルム写真しかなかった時代は、

1枚1枚のフィルム代にコストがかかっておりましたので、

連写なんて、とても恐れ多くて出来ませんでした。

もちろん、そんな機能も持ってないのが普通でしたし。

故に、シャッターをひとつ押すのにも、

それこそ、渾身の力を振り絞っての作業だったわけです。


岩井さんのこの写真も、

そんな思いで、精一杯に撮った1枚だったんだと思います。

いや、自分らが想像する以上の、魂が込められていたはず。


現代は、

きれいな写真が気軽に楽しめる時代になりましたけど、

何となく空虚感を感じるのも事実です。

岩井さんの写真を見るたびに、

つくづく、そんなことを思うんですよね。



この号を手にしてからすでに25年が過ぎましたが、

この写真のことは、未だに忘れることに出来ません。

古本屋さんで309号を手にする機会がありましたら、

ぜひ、岩井さんの写真を見てみてください。


心(魂)がこもった1枚の写真の意味、

きっとわかって戴けると思います (^~^)