私は、7月27日に、仁鮒小学校保存を応援する「廃校上映会」(秋田県能代市二ツ井町仁鮒の旧仁鮒小学校そばの集会所にて)で「ハーメルン」を、29日に、地域内外の方々の協力でよみがえった大館市の映画館「御成座」(今年、再生10周年)で、「モルエラニの霧の中」を観た。どちらも、坪川拓史監督作品だ。

 どちらの映画も、原生自然、森羅万象と対話できる力と、アコーディオンやピアノ奏者でもある坪川さんの音楽とが響き合って、ここにある世界と、思い出の原風景を、つないでゆく。

 これこそ、三浦春馬さんが参加するべき作品群(坪川さんの作品は全4作品)だと思った。

 きょう観た「モルエラニの霧の中」は、坪川さんの生まれた室蘭が舞台だ。7つのものがたりは実話が元になっている。

行ったことのない室蘭のまちが、懐かしい。

どのものがたりを観ても、かけがえのない自分自身の原風景と、再会を祈っている、愛おしいものたちがよみがえってくる。泣いた。

 坪川さんの映画は、日本よりも海外で高い評価を受け、数々の映画賞を受賞している。

 春馬さんは、坪川さんの映画で、海外に出るべき人であった。この映画を観ると分かる。

 今でも素晴らしい映画だが、春馬さんなら、もっと多くの人たちを魅了できた。

 たとえば「ハーメルン」で、廃校に住む元校長に敬意をいだく、この小学校の卒業生である考古学者に。

 「モルエラニの霧の中」で、写真館を営む父が倒れ、受けとる人のない写真を、相手を探しながら届けにゆく息子に。

 そこに、春馬さんいるだけで、忘れがたい風景になる。

 坪川さんは独学で映画監督になった人なので、春馬さんを助けることができたに違いない。

 機会があったら、ぜひ、坪川さんの作品をご覧ください。