今晩は、送り盆の祭り。
待ち人が、帰ってくる日。

戦地から帰る息子を待つ母たちは、こんな気もちだったんだろうか。

ただ、一緒にいるだけで、幸せだった。

猫も犬も、ずっと、息子を待ちわびて、年老いて、旅立っていった。

好いたものどうしが、手を取り合い愛し合った、盆踊りの夜。お婆さんが語ってくれたものだった。

息子が帰ってくるのを、今宵、待つ。

好物の赤飯と野菜の炒め煮、スイカにメロン、とうきびに枝豆と地酒。

息子の男踊りに魅了される、娘たち。誰の手を、息子は取るのか。

遠くからお囃子が聞こえる。

息子の笑顔と、よく響きわたる、いい声が聞こえる。

やっと、帰ってきてくれたのか。
送り盆の夜に。

よおく、顔を見せておくれ。春馬よ。