初見は、お笑い番組の「演芸グランドスラム」


スーツだったりカジュアルな服装で
軽い笑いを振りまくお笑い芸人の中、
大柄な着物姿の眼光鋭い男が現れる。


少々アウェーな雰囲気の中、
釈台(笑点に出てくる、あの木のテーブル)を前に、
背中を丸めた男が座る。



神田松之丞。



話は宮本武蔵。
一声吠えると、とたんにその時代に引き込まれ、
武蔵と虚無僧の戦いがありありと眼に浮かぶではないか。



語り口の独特な緩急と、憂いを帯びた声は、
聞くものの心を離さない。



扇子と張扇をそれぞれの手に持ち、
合間合間に釈台に叩きつけると、
話は勢いよく加速する。



釈台狭しと唸りを上げ、
大手を振って汗だくで務める様は、
たった7分では、全く物足りない。



これを、絶対に生で見たい!
テレビでこの迫力なら、
生で見たらどんなだろう!



そう思っていたら、
地元での独演会があるとの知らせ!



絶対チケットを手に入れて、
この雰囲気を体験するぜ!



私の住む田舎ではチケットは大抵、
駅前の手売りのプレイガイドで発売される。
今回もてっきりそうだと思い込んでしまっていた。



実際、一生懸命ネットで「ぴ◯」や「◯ーソン」のサイトにアクセスして
繋がりにくい末、
やっとの事で手に入れた立川談春のチケットが、
後ろから数えた方が早い席順。



ずっと後になってから駅前のプレイガイドをのぞいたら、
もっと前のいい席がまだ売れ残っていたということがあったので、
とてもショックを受けたことがあった。



殿村さんの顔がよく分からない。
にじむ涙を凸レンズにするという技を駆使し、
自前コンタクトでやっとの目鼻立ちを確認しながらの
講演だった。
いやぁ、年末だったから、
芝浜の心に沁みること。
あちこちで、鼻をすする音が聞こえてきたくらい。









そんな感動を、
是非、裸眼で松之丞を体験したい!
という強い思いを持ちながら、
発売時間前には駅前のプレイガイドにスタンバイ!
そして、いい席をゲットするぞ!
と、計画していたのだった。



☆



チケット発売の数日前から、
入念にシュミレーションして、
10時前には駅前のプレイガイドでスタンバイ!



行列が出来ることも予測して、
きっと年配の方々が多そうだから、
ここは心を乱さず、譲り合いの気持ちも踏まえて
心に余裕を持つことが運を左右するであろう。
そして、良い席をゲット☆
・・・・そう計画していた。



そして迎えたチケット発売当日。
珍しく寒さが厳しく冷え込んだ冬の朝。
計画通りに10時前には、駅前のプレイガイドに到着。
行列ができていることを覚悟に、
早めの到着だったのに、
おや?
他に人はいない。



やはり、この地では講談は、
まだまだマイナ〜なのかなぁ、
このぶんだと余裕でいい席取れちゃうな、どうしよう?
松之丞と目が合っちゃうかも〜〜 ˉ̞̭(>ω・)ゞ˄̻ ̊
なんてほくそ笑みながら
チケット売り場の人に声をかけると、、、、、、




そちらのチケットは、ここでは発売してないんです。



















今更ながら、
広告の案内をよく見てみると、
今回はネットだけの販売になっていた。。。。。




なんという不覚!
なんという失態!




混乱する頭で、焦りながら
ネットのチケット販売にアクセスする。



滅多にネットで買うことがないし、
買ったとしても家でPCからアクセスするので、
この小さなスマホ画面では、
動揺して手が震えて、
なかなか目的のサイトに繋がらない。



少しして、やっと繋がったと思ったら、
ログインしないとチケットが購入できない事態!
パ、パスワードが分からない!
これは、大文字と小文字を混ぜた8文字以上のヤツだ。



あれかな?
これかな?
寒さにかじかむ手も焦りで震え、
押し間違いを何度もして、
やっと購入画面にたどり着くと、、、、、、




完売しました。




いや。
もしかしたら、「◯ーソン」に直接行って、
あの四角い機械からアクセスしたら、
チケットが残ってるかもしれない。。。。。




そんな一縷の望みを持ち、
「◯ーソン」の店舗へ向かう。。。。。




でも、スマホでも、四角い機械でも、
おんなじなんだよね。
完売は、完売。
頭の片隅でそういう声も響いたが、
あえて聞かないようにして、
奇跡を見たくて、四角い機会を操作した。。。。。。。




完売しました。




ああ、人間って、なんて愚かなんだろう。
でも、こうやって現実を目の前にしないと諦めきれない
悲しい性。



これが、人間っていうもの。
これが、生きている、っていうもの。
この愚かさを体験したくて、私は人間をやっているんだ。
でも、やはり愚かすぎる。。。。。。。。。



いや!
ピンチはチャンスと言うではないか!
これは、神が私に与えた試練、チャンスだと捉えてはどうか!



まだ、独演会まではまだ2ヶ月もある。
この2ヶ月で私は何が出来るか!
思い浮かぶことを全部やってみもせずに、
簡単に神田松之丞を諦めるのか!




この絶望的状況を超えてみろ!
引き寄せてみろ!
神田松之丞への思いは、
この田舎の地では、私が一番のはずだ!
見れないわけがない!
絶対行ける!
行ける!
ける!
る!
る!
る!
る!
!
・
・
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・



そして、せっかく「◯ーソン」に行ったのに、
タダで帰るのが悔しくて、
子供達に肉まんとピザまんを買い、帰途についた。




そして宣言!
「見てろよ! 
お母さん、絶対に神田松之丞のチケット手に入れるからな!!」
拳を振り上げる私。



熱く語る私を横目に、
肉まん、ピザまんを頬張るクールな子供達。。。。。
ああ、そう、頑張ってね〜
と、気持ちの入っていない返事に物足りなさを感じながらも、
策を練る私。



そして!
ついに!







私の願いは天に通じたのでした!
















転売サイトで倍の金額を支払って。。。。





<お知らせ>
この記事を書いた直後に、神田松之丞さんの真打ち昇進のニュースを知りました。
今、もっともチケットの取れない講談師としてご活躍です。
ラジオ番組での毒舌もさることながら、衰退していく講談界に一石を投じた異端児として、とても影響力をお持ちの方です!
改めて、昇進おめでとうございます。\(^o^)/

2月には、真打ち神田松之丞に会えるのがとても楽しみ。(*^^*)

【「チケットのもっとも取れない講談師」神田松之丞さん真打ちに昇進 9人抜きの抜てき】