まだ子供を持つ前の、ひとり身で楽ちんだった頃の話です。
山や森が大好きで、近くの自然があるところに出かけては、
ひとり散策をしますが、
普通の散策ではなく・・・・・
ちょっと薄暗くなっている茂みや窪みに、
呼ばれているような気がして、
道無き道を分入っていくのが好きでした。
特に、「鳥獣保護区」と書いてあるところは、
ドキドキします。
ここからは、鳥獣を保護しなくてはならない、
人間がむやみに動物を捕獲してはならない場所。
むしろ、手付かずの森に近い場所が広がっている。
そんな緊張感がたまらないのです。
市役所から、猟師さん用の鳥獣保護地図を取り寄せたりして、
色々思いを馳せたり、変態の域ですね。
鳥獣保護区。
ここからは、もう森の人。
森の中は、ひんやりと涼しく、
空気感や場の雰囲気が違います。
「こんにちは〜。入らせてね」
と言って、入ります。
人間が気軽に立ち入れないような、神聖な感じがするからです。
森の外とは違う世界。
けもの道のような、道無き道を進みます。
自分の感だけが頼りです。
時折出会う、もろく古びた道祖神。
見守られていることを確信します。
薄暗い木々の間から、時折太陽が覗くと、
森の外とのつながりを感じます。
だんだんと辺りも薄暗くなり、
薮の中に身を沈めていると
森と一体になった感じがしました。
何ともいえない安らぎと幸福感。
この森のために、
私の体が土に溶けて
菌糸に分解され
森の養分として木々の根っこに吸収されるのであれば
それは本望。
そう感じるのでした。




