⑥経験則

薫「そうかもね。恋人に愛情を一心に注いだとして、全く見返りを求めない人がどこにいる?その期待は相手の発する言葉や気持ちだったり、ふと自分だけに成された優しい行動だったり、愛情を何によって感じるのかは人それぞれだが、少なくとも愛情を憎しみで返されて幸せを感じることはないだろう。それと似ている。
他人や環境に明るい未来の期待を抱くが、裏切られて絶望する。そのたびアニメや音楽に何度助けられたか。本当に安心できるのは人といる時じゃなく、明るい気持ちでずっといられる作品といる時だけだ。人は変わり続けるから安心できない。自然淘汰なんてのも安心できない。そもそも淘汰の基準がわからない。淘汰されてない悪事や悪人は人を苦しめ傷付けて、命や心の希望まで奪うのになぜ継続されているんだ?なぜ淘汰されないんだ?一方で善良な人が事故や災害に見舞われ還らぬ人となる。この矛盾、自然淘汰が実態を持って目の前に現れたら、思いっきりぶつけてやりたい疑問だ」

halfloid「.......質問は以上よ。ありがとう」

そう言って、halfloidは黙って部屋を出て行った。