足利事件の再審で菅家さんに無罪判決(2010/3/26)
(参考)
菅家さん無罪確定 裁判長頭下げ異例の謝罪(2010/3/26)
皆さん、こんばんは。
いつもは有料記事で「心理学講座」を掲載しておりますが、今回は少し長いために通常記事にさせていただきます。
◆無実なのに嘘の自白をする心理
無実の人が「嘘の自白」をしてしまうパターンには、大きく分けて3種類あると言われています。
(1)誰かの身代わりとなるために、自ら進んで嘘の自白をする。
(2)取り調べの圧力に耐えきれず、自分が犯人でないと自覚しながら、嘘の自白をする。
(3)取り調べの最中に、ひょっとしたら自分は犯人かもしれない、と自分を疑い始め嘘の自白をする。このパターンを『強制-自己同化型』という。
◆『強制-自己同化型』
犯行を犯していないことは、自分自身が一番よく知っているはずです。ではなぜ、自分がやってしまったのかもしれない、と考えてしまったのでしょう。
イギリスの法心理学者ギスリー・グッドジョンソンが、(3)の『強制-自己同化型』を作り出す取り調べの要素をいくつかあげています。
★容疑者の記憶が頼りにならないことを納得させる取り調べ
アルコールを飲むと記憶がなくなる容疑者の習性などを提示する取り調べなどがそうです。このような取り調べで、容疑者は自分の記憶力に不信感をもつようになります。
★物的証拠を提示する取り調べ
犯行を犯していないのだから物的証拠などはないはずであり、その証拠は鑑定ミスや、自白を取ろうとした取り調べ官の嘘である可能性もあります。
しかし人は、警察が間違えるはずがないし、嘘を言うはずがないと考える傾向にあるようです。
こうして容疑者は、物的証拠を何よりの動かぬ証拠ととらえてしまいます。
足利事件の有罪確定を担当した最高裁亀山裁判長
(参考)
菅家さんを獄中に突き落とした最高裁判事たちの豊かな老後
福井女子中生殺害事件で“冤罪”決定下した最高裁判事らも大企業に続々再就職
1996年、米国の研究者グループは、この『自己同化型自白』を確かめる実験を行いました。
(1)実験参加者(75人)に、一定の速度でパソコンのキーを打つように指示を出す。この時、あらかじめ「ALTキーを押すとデータが消えるので押さないように」と念をおしておく。
(2)作業開始
(3)作業の途中で突然パソコンが停止する(最初から仕組まれている)
(4)研究グループが「ALTキーを押したのではないか?」と参加者を問い詰めました。すると、69%がこれを認めました。
(5)部屋を出た参加者に、別の参加者(参加者になりすました研究グループの人間)が、何が起きたのか聞き出す。
(6)自分が「ALTキー」を押したためにパソコンが停止したと思いこんでいた人の割合が・・・28%
パソコンのキーを打った、打たないという記憶は曖昧なものです。自分の記憶への不信感が大きい時、人がいかに弱くなるかを示した実験でした。
★浜田寿美男博士(奈良女子大名誉教授)
「警察には、容疑者を無実と知って、あえて陥れようという意図はないのでしょうが、取り調べによって、無実の容疑者が自分を犯人だと思い込み、冤罪に繋がる事件は少なくないのです。」
(参考書籍)「ゼロからわかる心理学」
今月の「高野山の法話】です。良いお話です。では~![]()
【7月・高野山の法話】笑顔のままで




