< 登場人物 >

指輪 村上(根本)沙代 ・・・ S総合病院で意識を失い、眠っている


王冠1 森田柊也 ・・・ 現在、祖父母の会社を継ぐ修行中


宝石ブルー 森田美生 ・・・ 柊也の妻 24歳 料理上手


宝石緑 柊也の祖父母 ・・・ 楽器専門の小さな会社を経営


宝石紫 森田生斗(いくと) ・・・ 生後7ヶ月 柊也と美生の一粒種


< 今までのストーリー >

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「21」  「22」  「23」  「24」


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~~~森田柊也・25歳~~~

総合病院の小児科で意識を失い倒れた沙代が、院内のベッドの中で眠り、

夢の中で自分を責めている時と、ちょうど同時刻の夕方4時半。

森田柊也・25歳は、自宅アパートの寝室で目を覚ましたばかりだった。

彼の寝ていたセミダブルベッドの傍には、可愛いベビーベッドが置かれている。

ーーオレ、どのくらい眠っていたんだろう?

   ・・夢をみた・・・・。

この日、柊也は連日の忙しさでの過労がたたって、体調を崩し、仕事を休んだ。

彼の仕事への熱意と頑張りを知っている妻の美生には、

”先週の金曜に仕事も一段落ついて、責任を果たせたんだし、

 今日一日だけでも休んだら?

 日曜だって出勤だったし・・・ここんところ頑張り過ぎだよ。

 柊也は睡眠時間や食事まで削って、仕事に身を投じてた。

 社員の人たちだって、見ていないようで、

 そんな柊也のこと、ちゃんと見ているんだよ。

 だいぶ心配されてしまったんでしょ?

 私だって、柊也の身体が心配なの。

 健康あっての仕事でしょ?

 今夜はスタミナがつくものを作るから”

・・・などと労い混じりの言葉を掛けられ、

柊也は自分のことを、一番に気遣ってくれる彼女に従う形で仕事を休んだのだった。

そんな美生は、柊也の静養の邪魔をしないようにと、

生後7ヶ月になった長男 ”生斗(いくと)” を連れて、

午後から市内の親子教室に行き、その足で夕飯の食材の買出しに行くと言い、

外出していた。

柊也は自分のことを、いつも支えてくれる美生に、とても感謝している。

ハキハキとし過ぎている面はあるが、健気な彼女を愛おしく思う気持ちは変わらない。

1年前の4月に結婚した柊也と美生は、

彼の祖父母の住む実家の近くにあるアパートに新居を構え、

今でもそこで暮らしている。

現在も社長、専務として、現役で会社を経営する祖父母とて、

年老いてはきているため、最初は同居を考えていた柊也と美生だったが、

”まだまだ現役で働けるうちは、お前たちの世話にはならないよ”

”ジジ、ババ抜きの生活を、今のうちに満喫しておきなさい”

・・・などと笑い、絶対に首を縦に振らない。

柊也と美生は、2人の頑固さに閉口しながらも、その奥にある気持ちに、

深く感謝した。

今まで父親、母親として、自分を育ててくれた祖父母に、

これから柊也は恩返しをしたいと思っている。

そして柊也と美生の一粒種である生斗も、

標準よりも身体が小さい割りに、美生の作る離乳食の進みが順調なせいか、

元気に育っている。

休日の日など、柊也は妻似の生斗を抱っこして連れて歩くのが楽しみでならない。

すれ違う人の、ほとんどが、生斗を見ると ”可愛い” と言い、

”女の子ですか?” と必ず聞かれる。

それらは赤ちゃんに対して、よく投げ掛けられる褒め言葉とはいえ、

柊也には嬉しくってならなく、我ながら親バカなのかなと、ふと笑う。

今まで憧れていた ”家族” というもの・・・。

”自分の家族” として、美生を迎え入れ、後に祝福の中、生斗が生まれたこと。

初めて人の子の親になり、嬉しくてフワフワした思いを感じると共に、

強い責任感も改めて彼の中に生じた。

ーーオレは今、幸せなんだな・・・。

   だから美生や生斗のためなら、辛い仕事も頑張れる。

   愛おしい者たちがいるからこそ、幸せなのかもしれない。

そして柊也の脳裏に、ふと ”あの2人の顔” が浮かんだ。

ーー父さん、母さん・・・。

   オレを生かしてくれて、ありがとう・・・。

   20歳という年齢の若さで母さんはオレを生んでくれた。

   父さんには、恨んでしまった時期はあったけど、

   21歳の時、初めて父さんの人間性に触れて、

   オレは父さんの生き方から、本当の強さを教えてもらえた。 

柊也は自分の幸せを実感すると同時に、両親に感謝をし、

これからも真っ当に生きようと誓っていた。

ーーそれと今までの過去の経験の積み重ねがあってのオレ・・・。

彼は2日前の土曜のことを思い出した。

ーー日用品の店で、山田秋穂と久しぶりに会った。

   秋穂とは、高校を卒業して以来だったけど、やっぱり大人っぽく綺麗になってて、

   最初、秋穂だって気付かなかった。

   高校時代の秋穂は沙代の親友だって、わかってはいたし、

   オレは・・・今、沙代が幸せなのかどうか気になって、

   思わず聞いてしまったけど、

   秋穂は幸せだよと答えてくれたから、ホッとできた。

   沙代も美容師になる夢を叶えて、結婚をし、もう一児の母なんだな。

   だからなのかな・・・さっき眠っていた時、沙代の夢をみた。

   なんだかタイムスリップしたみたいだった・・・。

「 沙代・・・。 」

柊也は、もう会うこともないだろうと思う元カノ・沙代の名前を一人呟いた。


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< つぶやき >


久々の現在の森田柊也の登場です \(^_^)/


この小説の最初の方にも、同級生の山田秋穂の話しの中で、


柊也は出てきましたが、今回の25話ではリアル柊也です 笑


前作の小説 「 美生 」 のエピローグでは、結婚した柊也は、


今の幸せを実感しているようです (‐^▽^‐)


高校生の時は沙代から振られ、深く傷付いた柊也でしたが、


今は良し ・・・ なのは、救いですね :*:・( ̄∀ ̄)・:*:


TSUBASA