< 同情人物 >
根本沙代 ・・・ Y高校3年生 17歳
森田柊也 ・・・ 沙代のクラスメート 口は悪いが・・・。
砂川寛太 ・・・ 沙代の2年生の時のクラスメート
< 今までのストーリー >
「1」 「2」 「3」 「4」 「5」 「6」 「7」 「8」 「9」 「10」
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~~~村上沙代・25歳、回想~~~
「 オレ、あん時、トイレから出ていって、
アイツ・・・砂川に言ってやりたかった。
お前は自分のカノジョ以外の女の子は、平気で傷付けるのか?、
もっと気の利いた物の言い方ができないのかって。
元々、口が過ぎるオレが言うのも、人のこと言えねぇだろうって感じだけど、
それでもアイツに言いたかったよ。
けど・・そうすることで、お前を余計に傷付けてしまいそうな気がして、
出来なかった。 」
「 ありがとう・・・アンタの気持ち、嬉しい。 」
あの時、見られていたことは、恥ずかしかったけど、
素直に柊也の気持ちが嬉しかった。
「 でもね。
砂川くんは正直に自分の気持ちを伝えたかっただけなんだよ。
ただ、それを上手に伝えられなかっただけ・・・。
それにしても私って、みっともなかったね。
砂川くんが怒るのも無理もなかったと思う。 」
「 沙代は、砂川の気持ちを理解しようとしているんだな。
・・・それほどにマジで、アイツのことが好きだったんだろう? 」
「 ・・うん・・。 」
私が頷くと、更に柊也は言った。
「 お前のマジな気持ち、決して無駄ではなかったと思う。
マジで人を好きになれるって、すごいことじゃないか。
沙代は・・・砂川のこと・・・まだ・・好き? 」
「 わからない・・・。 」
「 そうか・・・そうだよな・・・。 」
柊也は自身を納得づけるように頷くと、
「 なら・・・砂川のこと・・オレが忘れさせてやる。
なぁんてな・・・。 」
「 えっ? 」
「 オレ・・・全力投球なお前のことが・・・好きだ・・・。
あっ、Like じゃなくって・・・ Love の方だぞ。
さっきみたいに勘違いすんなよ。 」
「 えっ?!
でも・・・それって、いつもの冗談なんだよね? 」
「 マジ・・だよ。
砂川みたいに、女友達としてでなく、
一人の女の子として・・・お前が・・沙代が好きだ・・・。
実は・・・さっきファミレスで沙代が岸田と仲良さげに話しているのを見て、
嫉妬してた・・・。 」
私の心臓の動きは、息もできないくらい早鐘のように速くなっていった。
そういえば先程も柊也は、私のことを好きだと言ってくれてた。
でも私は、普通の好きだと思い、サラリと受け流してしまった。
元はといえば、そこからバレンタインデーのことに話しが発展したのだ。
「 嘘?
嘘でしょ?
だってアンタ、女の子たちに超モテだし、
アンタを好きな女の子の中には、イケテル子だっているのに、
どうして私なんかを? 」
私がまだ信じられない思いで聞いてしまうと、
「 沙代は、まだオレに言わせるつもり?
オレ・・お前がいいんだ。
それは・・・あん時、砂川が行ってしまった後、
一人残されたお前は、チョコマフィン入りの箱を拾いながら、
こう言ったよな。
”砂川くん、ごめんね” って・・・。
あんなストレートに酷いことを言われても、
お前は砂川のことを、一言だって悪くは言わなかった。
傷付いてたはずなのに・・・。
そんで、しばらく泣いていた、お前は、ハンカチで涙を拭くと、
夕焼けで赤く染まった空を見上げながら、ポツリと言っていたな。
”どんまい、沙代” って・・・。
そんなお前を見ていたら、オレ・・・。
なんだか可愛くって、愛おしく思えて、たまらなくなった。
そん時から、オレは、お前のことを好きになっていたのかもしれない。 」
「 ”ドンマイ、沙代” 。
たまらなく落ち込んだ時に元気付けるための、
私が自分に掛ける、励ましの呪文みたいなものなの。
私なんかより、もっと、もっと深刻な悩みを抱えている人たちだっているのに、
それに比べたら、砂川くんに、私が振られたことなんて、
ちっぽけなことに過ぎないじゃない。
だから自分の目の前の、ちっぽけなことで、いつまでもクヨクヨしない。
自分はまた立ち上がれる。
そう思うことで、辛いことを乗り越えて、強くなれそうな気がしてくるの。
あはっ・・・ちょっとカッコつけ過ぎ?
でも今まで私は、そうしてきたんだ。 」
すると柊也は小さく呟いた。
「 ドンマイ、オレ・・・ってね!! 」
「 えっ? 」
何事かと見つめると、
「 ・・・沙代に振られた時のシュミレーション・・・。
振られたら、オレ、相当に落ち込みそうだから・・・。 」
そんな柊也が可愛く思えて、思わず笑ってしまった私は、
「 アンタが心の内を伝えてくれたなら、
私も伝えないといけないよね?
新学期の朝に、初めてアンタと関わった時、
無神経で、図々しくって、おまけに口が悪くって、
超・最悪だって思ったんだから!! 」
「 なんだよ!!
オレの悪口ばっかり。
いいとこ、全然ないじゃん!
・・そりゃあ、オレも素直じゃなかったから、
そう思われても仕方ないけどさ・・・。
やっぱ・・オレのこと・・・・・嫌い? 」
ショボンとする柊也に、私は首を振ってみせると、
「 でも・・・でもね・・・。
少しずつアンタを知っていくうちに、口は超、悪いけど、
本当は深い優しさを心の奥に持っているヤツだって思うようになった。
アンタには、さりげない、自然に湧いてくるような優しさがある。
それは作った優しさではなく、本当の優しさだって思う。 」
「 ・・沙代・・・。 」
「 ・・・私ね。
校内陸上競技大会の朝に、さり気なくアンタが言ってくれたことが、
本当はすごく嬉しかった。
”可愛い”
”ポニーテールが似合ってる”
男の子に、そんなこと言われたの初めてだったの。
ただ何の気なしに、言われたとしても、嬉しかった。
だから・・・今日も、それを意識して、ポニーテールにした。 」
「 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 」
「 ポニーテールを作って、洗面台の鏡の前で、
精一杯、とびきりの笑顔になった自分の顔を見て、
初めて・・・気付いたの・・・。
私・・・アンタのこと・・・いつの間にか・・好きになっていたって・・・。 」
「 えっ・・・えっ・・・マジで・・・!?! 」
はしゃぎだした柊也を見て、自分の顔が熱くなっている事に、私は気付いた。
「 だから・・・さっきファミレスで、アンタに単純だって言われたこと、
すごく悲しかったの。
いつもだったらアンタの憎まれ口を怒りながらも、またか~って、
受け流せてたのに・・・。
今日だけは違ってた。 」
「 ・・・ごめん・・・。
オレって、女心がわかってないよな。
好きな女の子には、心とは裏腹なことを言ってしまうとこ、直さないと・・・。
オレのこと、小学生と言った修平には、とっくに見透かされていたんだな。
”お前って、もろ、わかりやすいヤツだから” とも言われたよ。
・・・ついお前を目の前にすると、意識しちゃって、
憎まれ口ばかり叩いて・・・傷付けて・・・自己嫌悪になって・・・の繰り返しだった。
早く自分の気持ちを告んなきゃと思えば、思うほどに、オレって・・・。
・・・告るまで、時間が掛かってしまったけど、
今日、お前に告ることができて、よかった。
・・・オレ・・・超・嬉しい!!!
お前も、オレのことを、好きになってくれたこと・・・。
・・・ありがとう・・・沙代・・・。 」
「 私の方こそ・・・ありがとう・・柊也・・。
柊也のことが好き・・・。
・・・砂川くんのこと・・・忘れさせて・・・。 」
「 沙代の心の傷、オレが絶対に癒して、
砂川のこと、忘れさせてやる。 」
誓うように呟くと、柊也は私の唇に、自分の唇を、そっと重ねてきた。
私にとってはファーストキス。
柊也にとっては、何回目のキスなんだろう?
そのキスに彼の熱い思いが伝わってくるような感覚を覚えると同時に、
咄嗟に私は心の中で叫んでいた。
”柊也、大好き” と・・・。
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< つぶやき >
やっと自分の気持ちを伝えることができ、
しかも、両思いだとわかった柊也は感無量だったことでしょう :*:・( ̄∀ ̄)・:*:
でも・・・忘れてはいけません。
柊也と沙代は、結果的には別れてしまったということを ・・・。
2人の順調な交際に、少しずつ沙代の心の葛藤も絡めていき、
ストーリーが展開していく予定です (‐^▽^‐)
TSUBASA