・・・・・・・1年後、3月。

F高校を卒業したばかりの礼司は、大学の入学準備をしていた。

念願のH大学、理工学部、機械情報工学科への合格を果たし、

将来は、企業で技術開発、アイディアを出し合う課に所属を望み、

理数系に強い自分の力を発揮してみたいと、礼司は思っている。

将来に意欲的な礼司は、大学生になるのをきっかけに、

自分の力で生活してみたいと、大学の近くに家賃の安いアパートを選び、

春休みの内から住み始め、

簡単な自炊を母親のミオから教えてもらい、なんとか自分でやっている。

高校3年生の頃の夏、街でメンズ雑誌のモデルにスカウトされた礼司は、

最初は興味がないという理由で断り続けていたものの、

諦めずに何度も通ってくるスカウトマンの根気に負け、

大学生の間だけ・・・という約束で、モデルの仕事を始めることになっていた。

だから実家からの仕送りと、モデルの仕事の収入で、

礼司の一人暮らしは成り立ちそうだった。





礼司の家族の面々はというと、みんな、希望を持っているのと同時に、

同じくらいな悩みも抱えているけれど、

家族間の結束は以前よりも強くなったと、礼司は感じている。

両親のレンとミオは相変わらず、

2人で協力し合い設計事務所での仕事をしていて、

公私共々、おしどり夫婦ぶりを発揮していた。

父親のレンは仕事に対する姿勢が半端ではないのは変わらない。

母親のミオは、まだ子離れの最中で、礼司のことが心配でならない。

時間を見計らっては、アパートへ自分の手料理を持って行く口実を作り、

彼が、ちゃんと生活できているか見ていく。

礼司と3歳違いの妹・美生は4月からT高校の1年生に入学する。

小さい頃からピアノを習い、中学時代には吹奏楽部にも所属し、

ずっと音楽に親しんできた彼女は、これから高校に入学するというのに、

もう音大に行きたいという希望を持っている。



礼司の親友・田中翔太はというと、K大学の医学部に合格し、

小児科医不足が囁かれる世間の中、

子供好きでウケの良い彼は、その小児科医を目指していて、

チャラ男キャラだった翔太も、自分の夢に向って真剣に歩き始めている。



そして礼司の友達であり、千春の親友でもある川上美奈子は、

父親と同じ弁護士を目指し、相変わらず勉学に熱心な彼女は、

T大学の法学部に合格している。

翔太と美奈子といえば・・・高校時代に付き合っていた2人だったが、

恋人としては自然消滅していた。

・・・にも関わらず2人は、今でも良い関係を保っている不思議な間柄だ。





今日は3月28日晴天。

千春の18歳の誕生日。

それに加えて、礼司と千春の再会の約束の日でもある。

礼司は朝から珍しく緊張して落ち着かなかった。

千春は3月の半ばに、既に帰国していたが、再会の約束の3月28日まで、

お互いに会わないことにしようと約束していたし、

彼女は結局、留学の間の一年間、一時帰国すらしなかったので、

3月1日の卒業式にも欠席していた。

それ程に千春は留学先での勉学に熱心に取り組んでいたからだった。

この一年もの間、

礼司と千春は週に一度のメールだけでしか繋がっていなかったけど、

2人は、お互いに励まし合い、支え合ってきた。

だから不思議なことに、礼司は彼女が遠い地にいるような感覚がなかったし、

千春のメールが礼司の原動力になり、自分の将来の夢に向って

真剣に勉学に取り組むこともできたし、

まだ自分の車は持ってはいないが、車の免許も取得していた。

そして礼司にも新しい出会いがあったり、

彼に言い寄ってくる女の子も数人いたが、礼司の心は動くことはなかった。

様々な出来事は、それなりにはあったが、礼司にとって、あっという間であり、

自分の力を蓄積できる充実した1年になっていた。





ーー今日は千春と一年ぶりに会える・・・。

礼司は、あれから、いつも身に着けていた千春からのプレゼントの

腕時計をした

アパートを出て、最寄の駅から電車に乗り、

約束の午後3時の30分前に、パレットタウン内に到着すると、

ーー千春は、きっと遅刻してくる。

   アイツへの誕生日プレゼントは腕時計の方がよかったかな?

今までの千春の遅刻暦を振り返り、礼司はクスリと笑った。

屋外の2階・観覧車乗り場付近まで歩くと、

礼司は販売機でチケットを2枚買い、その近くで待つ事にした。

周りを見渡せば、春休みシーズンのせいか、

家族連れや、学生たち、カップルの姿が多く見られるパレットタウン内・・・。

そんな中で2階の礼司のいる場所から、階段を降りた場所付近に

一人立ち尽くしているスラッとした若い女の子の後ろ姿に

礼司の目は釘付けになった。

2階にいる礼司から、階下の女の子の姿は、ちょうど見下ろす形になる。

ーーなんか・・・いい感じな子・・・・。

彼女のナチュラルブラウンの長いサラサラな髪の毛先は軽くカールしている。

体格は細身で、キャシャではあるが、後姿であるにも関わらず、

どこか不思議な色気が漂う。

淡いピンク色の可愛いショート・スプリングコートに合わせるように、

小花柄の紺色のフレアーミニスカート。

スラッとした白い生足には、

少しだけヒールのあるシンプルな淡いピンク色の靴・・・。

後姿だけで判断するのは、彼女には失礼かもしれないが、

推定年齢18~20歳ぐらいなのか?!

大人っぽい雰囲気の中に、なぜか子供っぽい、あどけない仕草が垣間見えた。

ーー不思議な子・・・。

   あの子も、誰かと待ち合わせ?

   もしかして彼氏?

礼司には、その ”彼氏” とやらが羨ましくなり、気になった。

”千春というカノジョ” がいながらも、一応、礼司だって男である。

多少の邪(よこしま)な感情を持ちながらも、その彼女から目を離せずにいると、

甘いマスクのチャラ男っぽい男が、彼女に近付いていった。

ーーあぁ~やっぱり彼氏と待ち合わせだったのか。

   でも、あんなチャラ男なんかとあの子が、どうして?

不釣合いだと言わんばかりに、納得いかない思いで、

礼司が2人の様子を伺っていると、チャラ男が口を開いた。

「 ねぇ~今、一人? 」

「 はい・・・。 」

「 今日、オレと一日、遊ばない?

  なんかキミって、オレ好みだし・・・。

  それともぉ~キミとならマジで付き合っちゃおうかなぁ? 」

「 ・・ごめんなさい・・・私、”大切な人” と待ち合わせしているんです。 」

「 ええぇぇ~?! 

  ”大切な人” って男?

  彼氏? 」

「 はいっ!! 」 

「 でもさっ・・・さっきからオレ、キミのこと見てたけど、

  結構、待ってるんだろ?

  もう来ないんじゃない?

  オレとデートしようよ!! 」 

ーーナンパだったのか・・・。

   いや?そんなことよりも・・・今のあの子の声って・・・?!

2人のやりとりを聞いて、チャラ男が彼女の彼氏ではないとわかり、

なぜかホッとした礼司だったが、

彼女の声を聞いた彼には大きな衝撃が走った。

その上、長い髪を風でなびかせる彼女の横顔を見た途端、

礼司は、彼女に声を掛けずにはいられなくなり、

一気に階段を駆け降りていた。

「 ごめーーん、待った? 」

礼司の声に振り返った彼女は・・・・・・・千春だった・・・・。

そして髪をかき上げる彼女の右薬指には、

礼司からプレゼントされたファッションリングが綺麗に光っていた。


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1年後 の 礼司 と 千春 の 再会 は


ちょっとした ハプニング で 始まりました 笑


”いい感じな子” ・・・ 礼司 の 邪(よこしま)な 感情 ・・・。


冷静沈着な 礼司 も やっぱり 普通 の 男の子。


愛する 千春 という カノジョ が いて も


ひと際 目 を 惹く 女の子 が いたら 


一瞬でも 目移り を してしまうこと だって あるものです ( ´艸`)


なぁんて 言って も その ”いい感じな子” の 正体 が 千春 で


礼司 には 満足だった と 感じられます (σ・∀・)σ


ナンパ男から 千春 を 救うべく!?


タイミング 良く 現れた振り を した 礼司キラキラ


礼司 と 千春 の 再会 の シーン を なんちゃって作家 は


思わず 楽しんで 書いてました :*:・( ̄∀ ̄)・:*: 笑


次回 は 一年ぶり に 再会 を 果たした 礼司 と 千春 の 会話 が


中心 に 書かれています。


新年 早々 の ご愛読 を ありがとう ございました m(_ _ )m


                              なんちゃって作家 Yu