お花。 番外編・登場人物 お花。


花 山下礼司 ・・・・・・ ほとんどのことに万能だが

               鼻にかけたりしない

               大人に着実に進んでいる高校2年生


花 中村千春 ・・・・・・ 礼司のカノジョ

               他の女の子にはない千春らしい良さを

               持っている


花 山下レン ・・・・・・ 礼司、美生の父親

               とても大きな器を持った人


花 山下ミオ ・・・・・・ 礼司、美生の母親

               レンの良きパートナーであり、理解者


花 山下美生 ・・・・・・ 礼司の妹

               中学2年生

               普段は生意気だが、本当は根が優しい子



お花。 今まで の ストーリー お花。


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高速が少し渋滞していたこともあり、

夜、9時過ぎになってから、レンと礼司は、自宅マンションに帰宅した。

「 お兄ちゃん、パパと2人で出掛けてずるーーい!!

  ミウもおばあちゃんに会いたかった! 」

妹の美生には散々、文句を言われた礼司だったが、

「 ちょっぴりヤキモチ焼いちゃったけど、

  パパとお兄ちゃんが仲良くしているのは、

  ミウ、嬉しいよ 」

お父さんっ子な美生はクスッと笑いながら、更に小声で礼司に、そう囁いた。

「 今まで心配させちゃったな・・・ごめん。

  美生、ありがとうな。 」

礼司の表情は、とても晴れやかだった。





その日の真夜中、レンとミオの寝室では・・・・。

「 今朝は何も理由を聞こうとせず、出掛けさせてくれて、ありがとう。

  ミオに全てを話すよ。 」

レンは、今日、礼司と出掛けた理由を話し、

自分が千春とは、以前から知り合いだったこと、

千春の援助交際のことや、

春休みに一日だけK街で親子として過ごしたこと、

でも、それを礼司に偶然、見られて、彼を誤解させ、苦しめていたこと、

千春に、自分の気持ちを礼司に伝えたら・・・と

告白を勧めたのはレン自身だったということ、

更に千春という女の子の人格や家庭の事情、父親のことなどを話し、

それらを全部受け入れた礼司の、千春を思う気持ちが本物だということも

包み隠さずに、ミオに打ち明けた。

最初はミオも驚きを隠せない様子だったが、

千春の、今までの寂しさ、辛さ、悲しみを受け入れてくれた。

「 ミオ、今まで黙っていて悪かった。

  でも・・・オレ、誰にも知られたくないという、

  あの子の気持ちを思うと、ミオにも話せなかった。

  もしも礼司に知れることがなかったら、

  一生、オレの胸の中だったと思う。 」

「 いいんだよ、レン。

  レンは、そういう人だから、私は信頼しているんだよ。

  きっと千春ちゃんだって、レンのことを信頼したからこそ、

  心を開いて、いろんなことを話せたんだって思う。 」

「 ありがとう、ミオ。

  ミオなら絶対に、あの子のことをわかってくれるって思ってた。

  それと頼みがあるんだ。

  礼司にも、お願いされたんだけど、

  今度、うちに千春ちゃんを呼ばないか?

  その時にはまた、あの子の父親になりたいんだ。 」

「 うん!

  もちろんだよ!!

  千春ちゃんも、将来、もしかしたら?!

  山下家の一員になるかもしれないしね。

  本当に、そうなってくれたら、嬉しいんだけど・・・。 」

ミオは快く承知した。

「 あんないい子は滅多にいない・・・オレもそうなってくれたらって思う。 

  ・・・・ミオ・・・もう一ついい話しがあるんだけど・・・。 」

ニヤニヤ笑って、一人で楽しんでいるかのようなレンに

「 ナニナニ?

  レンったら、勿体ぶっちゃって!

  早く話してよ、意地悪なんだから! 」

ほんの数秒、レンはミオを焦らすと、

「 礼司が、これからも千春ちゃんのことを大切にしたい、 

  将来の進路のことも真剣に考えるって・・・。

  自分たちも、オレたちみたいな大恋愛をしたくなったって・・・。

  アイツにしては珍しく、夢中になって話していたんだよ。

  あんな礼司を見たのは久しぶりだった。

  礼司が、かけがえのない ”大切な人” を見つけたこと、

  千春ちゃんのことを受け入れてくれたこと、オレ、嬉しかった。

  あんなに子供だって思っていた礼司も身体だけじゃなく、

  心も徐々に成長して、大人に近付いているんだなって実感した。

  そうだよな。

  いつまでも子供なはずないよな。

  それと・・・・・・・。 」

「 もおぅ~レン! 」

レンはまたニヤニヤ笑って、ミオを焦らすと、

「 ・・・・・・オレたちの子供でよかったって・・・。 」

「 レン!! 」

ミオは嬉しくって、思わずレンに抱きついていた。





横で静かな寝息を立てる、ミオの無垢で美しい寝顔を見ながらレンは、

千春と親子になって一日を過ごしたあの日の夜、

立ち寄った公園で最後に千春が言っていたことを思い出した。

それは礼司にも、ミオにも話していないことだった。

~~~

「 最後に一つだけ聞いてもいいですか?

  私って、男の人を惑わす女の子ですか?

  今日、レンさんは私に惑わされましたか? 」

千春が、どうしてそんなことを言うのか、

不思議に思ったレンは、悲痛な表情をする彼女に問いただしてみると、

初めて援助交際した、中年の男に ”キミは男を惑わす” と

言われたとのことだった。

だからレンは、千春にこう言った。

「 誤魔化す言い方をするのは、キミのためにならないと思うから、

  ハッキリ言おうと思う。

  確かにキミは男を惑わす女の子なのかもしれない。

  そのせいで、キミ自身が危険な目に遭うことだってあると思う。

  でもキミがそれを自覚して、制御することを覚えれば、

  危険なことだって避けられるって思うんだ。

  ・・・・とは言っても、悪いことばかりでもない・・・。

  良い言い方をすれば、キミって魅力的ってことじゃないか。

  とても素敵なことだとも思う。

  オレもキミには他の女の子にない、不思議な魅力を感じていたのは

  本当だ・・・。 」

「 レンさん、ありがとうございます。

  レンさんにアドバイスしてもらえたら、私の心の中が、

  いっぺんに晴れたような気分になりました。

  なんか不思議・・・。 」

千春は微笑むと、

「 私が自覚して、制御する力を持つことですね・・・。 」

「 最初は思うように、コントロール出来ないかもしれない。

  難しさもあるかもしれないけど、

  キミの心がけ次第で、それも可能だって思える。 」

「 わかりました。 」

千春は納得し、大きく頷いた。





ーーきっとあの子の持つ魅力が、礼司を夢中にさせているんだろうな。

   たぶん・・・礼司もあの子に惑わされたことがあったのかも・・・。

   アイツも苦しんだはずだ・・・。

   でも礼司が、あの子のことを大切に思っているからこそ、

   今までも2人の仲は、うまくいっていたに違いない・・・。

それは礼司の千春を思う気持ちが本物だと、

レンが確信した理由の一つでもあった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


礼司 の 千春 を 思う 気持ち が 本物だ ということ


彼 が 着実 に 大人 へ と 近付いていること


自分たち の 子供 として 生まれたこと を よかった と


礼司 が 言ってくれたこと ・・・・。


長年 礼司 を 育ててきた レン と ミオ には


たまらなく 嬉しい 言葉だったこと でしょうね。


次回 は 学校 での 昼休み


礼司 と 千春 が お弁当 を 食べている 話し を 書いています。


今日 も ご愛読 ありがとうです m(_ _ )m


なんちゃって作家 Yu