お花。 番外編・登場人物 お花。


花 山下礼司 ・・・・・・ 小さい頃はサッカー遊びが中心

               でも木登りや虫捕りも好きな少年だった

               お母さんっ子で育った


花 山下レン ・・・・・・・ 家庭の事情で、小さい頃から

               あちこちを移転していたが

               その移転先の中の地で、小さい頃のミオと出会う


花 中村千春 ・・・・・・ 親友の美奈子とは幼馴染で

               小さい頃から大人しく、か弱い美奈子を

               守るような立場にあった

               ヒーローに憧れる少女だった


花 山下美生 ・・・・・・ 礼司の妹

               運動が苦手な文科系な女の子

               小さい頃からピアノに親しむ

               音楽好きな影響から吹奏楽部に入っている



お花。 今まで の ストーリー お花。


「1」  「2」  「3」  「4」  「5」  「6」  「7」  「8」  「9」  「10」


「11」  「12」  「13」  「14」  「15」  「16」  「17」  「18」  「19」  「20」


「21」  「22」  「23」  「24」  「25」  「26」  「27」  「28」  「29」  「30」


「31」  「32」  「33」  「34」  「35」  「36」  「37」  「38」  「39」  「40」


「41」  「42」  「43」  「44」  「45」  「46」  「47」  「48」  「49」  「50」


「51」  「52」  「53」  「54」  「55」  「56」  「57」  「58」  「59」  「60」


「61」  「62」  「63」  「64」  「65」  「66」  「67」  「68」  「69」  「70」


「71」  「72」  「73」  「74」  「75」  「76」  「77」  「78」  「79」  「80」


「81」  「82」  「83」  「84」  「85」  「86」  「87」  「88」  「89」  「90」


「91」  「92」  「93」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



千春から全ての真実を明かされた、翌日の晴れた日曜の朝。

礼司はレンの運転する車の助手席に座っていた。

サングラスをして運転をしている、父親のレンの横顔を

こんなに間近で見たのは、いつが最後だっただろう?

礼司は、懸命に思い出そうとしていた。

車は高速を走り、ある場所に向かっていた・・・。





~~~昨夜。

あれから千春と別れて、自宅マンションに帰ってきた礼司は

夕飯を食べ終わった後、たまたま父親のレンと2人きりになると、

声を潜めながら、

「 父さん、明日は仕事は休み? 」

突然、礼司から予期せぬ言葉を掛けられたレンは、戸惑いながらも

「 明日は休めるよ。

  礼司、どうしたんだ? 」

「 父さんが良ければ、明日 ”あの場所” に連れて行ってほしいんだ。

  ほらっ・・・。

  小さい頃に、よく連れて行ってもらった、あの景色の綺麗な場所・・・。 」

礼司の言う ”あの場所” が、どこなのか、ピンときたレンは、

「 礼司が行きたいというのなら、構わないが・・・。

  でも・・・どうしたんだ?突然? 」

「 ・・・・・今は理由は言えない・・・・。

  オレ・・・今日、アイツから・・・千春から全てを聞いた・・・。

  父さんのことも・・・。 」

「 そうだったのか・・・。 」

レンは複雑な表情をした。

そんなレンの心中を察するかのように礼司は

「 オレ・・・正直に、ショックだったけど、

  アイツのことは、絶対に見捨てないから・・・。 」

礼司のその言葉に安心したレンは

「 うん・・・わかったよ。

  明日、おまえが小さい頃、好きだった ”あの場所” に連れて行くよ。 」

「 ありがとう、父さん。 」

数分間の短い中での会話だったが、2人は久しぶりに、笑顔を向け合った。





サービスエリアで、少し遅めの昼食を食べた後、
高速を下りると、そこにはのどかな田舎風景が広がっていた。

あちこち目にする、りんご農園を通り抜けて

しばらく走行してから、レンは車を路上駐車した。

「 礼司、着いたぞ。 」

いつの間にか助手席で眠っていた礼司は、眠い目をこすりながら

「 着いたんだね。

  ここに来るのは久しぶりだ。 」

「 行こうか。 」

「 うん。 」

2人は車を降りると ”あの場所” へと歩き出した。





車から降りてから徒歩で、ほんの2~3分の ”あの場所” に到着するまで

礼司とレンは、お互いに無言だったが、

”あの場所” に到着すると思わず礼司は感嘆の声をあげた。

「 変わってない・・・。

  夏休みに母さんの実家に行くたびに、小さい頃から

  よくオレや美生は、ここに連れて行ってもらっていたよね。

  オレ、この大木にも、よく登ってたね。

  大木の上から、眺める景色が、すごく綺麗だったんだ。

  美生が、自分も登りたいって、駄々をこねていたっけな。

  だから父さんが、手伝って登らせると、

  今度は怖いだなんて、泣き喚いてさ!! 」

その時の光景を思い出し、礼司は可笑しそうに笑い、

「 それと虫なんかも捕まえてた!!

  うんと小さかった頃なんか、父さんが捕まえた大きなクワガタに

  オレ、ビビッていたのも覚えてる。

  すごく楽しかった・・・。

  でも・・・オレが中学生になった時に、

  母さんから ”ここで父さんにプロポーズされた” と

  聞かされてからは、なぜか?ここに行けなくなっちゃったんだ。

  それを話していた時の母さんの表情が、

  いつもの母さんじゃなかったようにも思えてしまって・・・。

  オレ、その時、まだ子供だったから・・・。 」

礼司は複雑な表情で照れ笑いをした。

「 母さんから、そのことは聞いたことがあったよ。

  母さんも、礼司に言ってしまったこと、後悔していた。

  小さい頃から母さんっ子だった、おまえには ”プロポーズ” のことは、

  結構ショックだったかもしれないな。 」

レンは、礼司の気持ちを受け止めた。

「 オレ・・・その頃くらいから、

  父さんや母さんに距離を置くようになったのかも・・・。

  ”プロポーズ” のことばかりが、原因じゃなかったと思うけど、

  自分でも、どうにもならなかったんだ・・・ごめん。 」

「 いいんだ。

  そんなこと気にしなくっても・・・。

  ちょうど礼司は多感な時期に入っていたんだ。

  そこに ”プロポーズ” のことが加わってしまったから、

  尚更なことだったと思う。

  大人になるために、誰だって通る道だ。 」

そのレンの言葉に、礼司の心は洗われたようになった。

「 父さん、ありがとう。

  オレ・・・ここが好き。 」





そう・・・礼司に ”あの場所” と呼ばれていた、ここは・・・・。

礼司や美生が小さい頃、遊びに連れて行ってもらった場所。

そして・・・かつて幼馴染だったレンとミオが

遊んでいた ”秘密の場所” でもあり、

大人になったレンがミオにプロポーズした長野県安曇野の梓川の土手だった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


”あの場所” は 礼司 と レン に とって


それぞれ に 思い描くこと は 違っていて も


心 が ほっこりする 場所だ ということ は 共通 の よう です。


礼司 が この場所 に レン を 誘った 大きな理由 は 


無垢になること が でき


素直 に 心 を 開ける 場所だから なのでしょうね。


次回 は この 場所 で


礼司 が 自分 の 思い や 決心 を 告げます。


今日 も ご愛読 ありがとう ございます m(_ _ )m


                              なんちゃって作家 Yu