お花。 番外編・登場人物 お花。


花 山下礼司 ・・・・・・ 千春がエンコウをしていたことに

               強いショックを受ける


花 中村千春 ・・・・・・ 礼司に自分のしてきたことを在りのままに

               話す決心をする


花 山下レン ・・・・・・ 礼司の父親

               仕事熱心ではあるが、

               いつも子供のことを見守っている



お花。 今まで の ストーリー お花。


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千春は自分を無理矢理にホテルに連れ込もうとした、中年の男・C氏から

助けてくれたレンのことを礼司に話した後

「 礼司くんのお父さんは、私の恩人なんだよ。

  決して ”汚い人” なんかじゃない・・・・私のような・・・。 」

千春は ”私のような” と呟くと、目を伏せた。

「 あの時、偶然にレンさんが居合わせなかったら、私は・・・・・。

  レンさんは、仕事関係の用事で街の中の業者に行った帰りに

  私とCさんを見掛け、様子がおかしい事に気付いて、

  後をつけていたと言ってた。

  私は、いろんな意味でレンさんに救われたんだよ。

  レンさんから、助けてもらった、あの後、

  私はレンさんの車に乗ったの。 」

千春は遠くを見るような目をして、再び話し出した。





~~~

「 今日は車で来ているんだ。

  キミを家まで送り届ける。

  でも途中、車を停めるから、話しを聞かせてくれないか。 」

ビルの地下の駐車場に停めてある自分の車の助手席に千春を乗せると、

レンは無言で車を、しばらく走らせた後、住宅街の一角に車を停車させた。

「 人気(ひとけ)が、全くない場所よりも

  ここならキミも不安じゃないだろ? 」

千春が頷くと

「 キミの話しを聞かせて欲しい。 」

毅然とした態度のレンに対し

ーーこの人なら、きっと私の気持ちを受け止めてくれる・・・。

千春はレンに、そんな匂いを感じ、

自分が援助交際をした理由や、いきさつ・・・・。

それと性行為をしたのは、最初の一度だけだということを、

ありのままにレンに話した。

ただ最初の援助交際の相手A氏から言われた自分が ”男を惑わす” 

”魔性を持っている” ことについてだけは、

千春はレンにも、その時は話せなかった。

レンは、それらを終始、無言で聞いているだけだったが、

千春が最後まで話し終えると

「 キミは父親がいない寂しさを埋めようと、

  見知らぬ中年男から ”父親の愛情” を貰おうとしていたんだね。

  話しを聞いて、今までキミが、ずっと寂しかったことだって察する。

  でも・・・どんな理由があっても、いけないことは、いけないことだ!!

  キミだって、わかってたはずだろっ!!! 」

最後は声を荒げながらも、レンは怒気を含んだ表情で千春を見た。

「 ごめんなさい・・・・。 」

千春はただ謝るしかなかった。

「 キミの頭の中では ”父親の抱擁” と ”性行為” が

  同一化してしまっていた・・・。

  見知らぬ中年男と食事をしたり、”父親の抱擁” と称す性行為をして、

  キミの言う ”父親の愛情” や ”父親のぬくもり” で

  キミは満たされたのか?

  満たされたとしても、それは一時(いっとき)だけだったんじゃないか?

  だからキミは、また別の中年男に会うことを繰り返した。

  そうじゃないのか? 」

「 そうかもしれません・・・。 」

消え入るような声で答える千春に

「 それがわかっているのなら、もう援助交際なんてやめるんだ。

  どんどん深みにハマッていくだけでなく、最後にはキミがキミでなくなる。

  今日、会った中年男のように、

  性行為を目的に近寄ってくるヤツだって少なくない。

  そいつは薬を持っているとも言っていたんだろ?

  危うくキミは薬漬けにされて、

  あの中年男の奴隷にされていたかもしれないんだぞ!!

  キミも怖い思いをしたのなら、わかるだろ?

  キミの身体は、お父さんやお母さんから受け継いでいるもの・・・。

  粗末にすることは、お父さんやお母さんを粗末にするのと一緒だ。

  もっと自分を大切にするんだ!!

  亡くなったお父さんにも、恥ずかしくない生き方をしなさい。 」

千春の目を見据えて、レンが念を押すように強く言うと

「 私の話すことを真剣に聞いてくれて、ありがとうございました。

  私みたいな身も知らない女子高生に

  間違いは間違いだと、真剣に叱ってくれて

  とても有り難いです。

  叱ってくれる人が誰もいなかったら

  私は悪循環から抜け出せないままだったと思うから・・・。

  もうあんなことは、絶対にしません。 」

千春は心から、そう思い誓った。

千春にとって、男の人に叱ってもらったことは、

父親が亡くなって以来なかったことだった。

レンは千春が反省しているのを、確かめると

「 わかってくれたのなら、もうこれ以上は言わない。

  キミのことを信じる。 」

2人は確信し合うように見つめ合うと、初めて微笑み合い、

しばらくの沈黙の後、千春が言いずらそうに、

「 あの・・・。

  そういえば私、あなたの名前を知りませんでした。

  迷惑じゃなかったら、教えてもらえませんか?

  私は中村千春っていいます。 」

「 そうか・・・そうだな。

  自分の名も名乗らずに説教をしてしまって、すまなかった。

  時々、コンビニの客として来る、おじさんでもいいんだけど

  ”おじさん” と呼ばれるのも、正直に抵抗があるんだよなぁ。

  一応、山下・・・・・山下レンという名前だ。 」

「 レンさんって呼んでもいいですか? 」

レンが頷いて承知すると

すぐさま千春は ”山下” という彼の苗字から、

自分が好きな男の子である礼司の顔が思い浮かんだ。

そして半信半疑にレンの顔を、マジマジと見つめた。

ーーレンさんと、山下くんは似ている?!

「 千春ちゃん、どうしたんだ? 」

「 レンさんは、私の同級生の男の子によく似ているんです。

  その男の子の苗字も ”山下” って言うんです。 」

「 まさか・・・?!

  ・・そんなこと・・・?

  でも千春ちゃんと同級生なら・・・。 」

レンにしては珍しく動揺したが、

「 その同級生の男の子の名前は何ていうの? 」

「 ・・・礼司くん・・・。

  ”山下礼司くん” っていいます。 」

「 なんだって?

  じゃあ、キミはF高校の子なんだね? 」

千春が頷くと

「 ごめん・・・キミの着ている制服を見ても、ピンとこなかったよ。

  自分の息子の学校の制服も把握できていないなんて

  オレってヤツは・・・。

  キミの言っている ”山下礼司” は、オレの息子だ。 」

ーー体育祭の時、初めて見た山下くんの顔を、

   どこかで会った気がすると感じたのは

   そのせいだったんだ。

そう心の中では確信しても、どこかまだ信じられずにいる千春は

「 でも?

  レンさんって、そんな大きな子がいるような

  年齢には見えないのに・・・。 」

「 よく人にもそう言われるが、オレは40歳になったばかりだ。 」

予期せぬことに、千春はポカンと、レンの顔を見つめるばかりだった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


千春 に 対して 真剣 に 話し を 聞き


真剣 に なって 叱ってくれた レン。


それが エンコウ を やめよう という 強い 意思 に 繋がります。


今まで 千春 には レン の ような 人 が 


欲しかったのかもしれませんね。


それと ここで 初めて レン と 礼司 が 親子だ と わかりましたね。


次回 は なぜ 3月30日 に 千春 と レン が


2人 で 街 を 歩いていたのか が わかります。


今日 も ご愛読 ありがとう ございました m(_ _ )m


                              なんちゃって作家 Yu