お花。 番外編・登場人物 お花。


花 山下礼司 ・・・・・・ 高校2年生
               父親に対して憎しみに似た感情を持っている
               容姿に恵まれていながらも
               父親似だということから
               自分の容姿すら嫌悪している


花 中村千春 ・・・・・・ 礼司のカノジョ
               不思議な魅力を持つ
               礼司に自分の罪がバレないか
               ビクビクしている



お花。 今まで の ストーリー お花。











◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

お互いの熱い思いをぶつけ合い、愛し合った後、
ダブルベッドで、千春は礼司の胸の中にいた。
「 礼司くんのこと、ずっと好きでいてもいい? 」
「 もちろんだよ。 」
シャンプーの香りを感じる千春のサラリとした長い髪を
手で優しく触りながら、心地好い気分で礼司は呟いた。
「 私がどんな女でも? 」
そんな聞き方をする千春のことを、不思議に思いながらも
「 うん。千春の良さはわかってるつもりだから。
  オレにとって、千春は、千春だから・・・。 」
「 ・・・・・・・・・・。 」
「 どうしたの? 」
「 うううん、何でもない。
  ”千春は、千春” ・・・か。
  礼司くんに、そう言ってもらえて、なんだか安心した・・・。
  ありがとう、礼司くん。 」
千春は、かすれた声で呟き微笑んだ。
「 変な千春・・・。 」
礼司はクスッと笑うと、千春の白い素肌の美しさに見惚れたように、
「 千春、すごく綺麗だよ。 」
「 恥ずかしいから、あんまり見ないで。 」
千春はバスタオルで自分の裸体を隠した。
そして礼司と千春は、お互いに見つめ合うと、再び唇を重ねた。
キスの後、礼司は何かを思い付いたかのように、
腰にバスタオルを巻いて起き上がり、上着のポケットから、何かを取り出した。
それは手の平の中に収まるくらいの小さな紙の袋だったが、
先程の雨のせいで湿っていた。
「 千春に、これあげる・・・。 」
バスタオルを巻いてベッドの上に座り直した千春に、
礼司が自ら、小さな紙の袋の中から出したものは、
先程、動物園のショップで買った、ファッションリングで、
値段にすると600円程度のものだった。
「 わぁー可愛い!! 」
そのファッションリングは意外と、とても洒落ていて、
女の子が好みそうなデザインだった。
「 さっき動物園のショップで買ったものって、これだったの? 」
「 うん・・・ずっと千春と一緒にいたくって・・・。
  安物で、オモチャみたいだけど、オレの思いを形にしたくなって、
  このリングに詰めた。
  ショップでね・・・オレが、このリングを手に目をつぶって、
  愛情をいっぱい詰め込んでいたらさ!!
  近くにいた子供に ”お兄ちゃん、何してるの?” って
  不思議がられちゃった!
  だからオレ、なんて答えたらいいのか、わかんなくなっちゃってさ!! 」
可笑しそうに笑った後、真顔になった礼司は、
「 ・・・・・何年か後には本物を買ってあげられる男になりたい。
  ちょっとオレって重たい男かな? 」
千春が礼司を優しく見つめて首を振ると、
「 サッカーの試合の応援に、初めて千春が来てくれた時、
  腕にしていたブレスレットを見つけた、オレは・・・。
  もしかして ”大切な人” に、嫉妬していたのかも・・・。
  千春にブレスレットをプレゼントしてくれた ”大切な人” が
  男なのか、女なのか、どんな人なのか、オレにはわからないけど、
  でも・・・オレの気持ちは、そのブレスレットに負けないと思ってるから・・・。
  千春・・・・・・・・好きだよ。 」
「 私も礼司くんが好き・・・・。
  ・・・そのリング、礼司くんの手で、私の指に付けて・・・お願い・・。 」
千春が右手を差し出すと、礼司は薬指にリングを付けてあげた。
不思議なことに、リングは千春の薬指にピッタリだった。
「 礼司くん・・・ありがとう。
  ・・すごく嬉しいよ・・・・・・。
  礼司くんの思いが詰まってるんだもん。
  このリングは、私の一番の宝物になったよ。
  私も・・・私も・・・、ずっと礼司くんと一緒にいたい・・・。 」
礼司と千春は、再び唇を重ね、微笑み、
しばらく見つめ合っていると、千春が再び口を開いた。
「 実は・・・・ここに来ることも
  バースデーデートの予定に組んでいたの……。 」
「 えっ?! 」
「 だから、たまたま雨が降ってくれて幸運だった。
  ・・・・・・礼司くんとなら・・こうなってもいいって思ったから・・・。 」
千春は顔を赤くして、恥らうように笑うと、バスタオルを巻いたまま、
窓の方に歩いて行き、細めにカーテンを開けた。
「 ねぇ!さっきの雨が嘘みたいに晴れてる。 」
礼司には、長い髪を優しくかきあげる千春の後ろ姿のシルエットが
“女の子” ではなく ”大人の女” に見えていた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

”千春 は 千春” その 礼司 の 言葉 に 安心感 を 持つ 千春。

礼司 は 千春 を しっかり と 見ているようですね。

そして 礼司 が 千春へ と 贈った リング ・・・。

たとえ オモチャみたいなもの だって

千春 に とって は とても 大切な 宝物 に なったようです。

次回 は ラブホテル を 後 に し

帰り道 を 歩く 2人 の 会話 を 書きました。

その 会話 の 中 で 千春 の 言ったこと に

礼司 は 不信感 を 持ちます・・・。

いよいよ 千春 の 秘密 が 明かされ始めます。

今日 も ご愛読 ありがとう ございました m(_ _ )m

                              なんちゃって作家 Yu