お花。 番外編・登場人物 お花。


花 山下礼司 ・・・・・・ なんでも万能なイケメン

               父親のことで悩み、父親を憎む


花 中村千春 ・・・・・・ 明るい半面、繊細な女の子

               父親を慕い憧れている



お花。 今まで の ストーリー お花。


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赤いゴンドラの中で、礼司と千春は向かい合って座った。

ゴンドラが、ゆっくり上がっていき、若い男の係員が笑顔で手を振るのを

2人は笑顔で振り返したが、

手を振り返した後、ゴンドラの中、たちまち沈黙が広がり、

礼司も千春も、とてもソワソワし始め、

「 なぁ・・・。 」 「 あのぅ・・・。 」

2人は同時に口を開いた。

「 あっ・・・おまえから言って・・・。 」

礼司が千春に先に譲ると、

「 こんなこと言って、気を悪くしたら、ごめんね。

  この頃、学校で私が話し掛けても、山下くんは話したくなさそうだったし、

  メールをしても、返信がなかったことが、何度かあったから

  私、山下くんに嫌われてしまったのかなって思ってた。

  こう見えても、結構、落ち込んでいたんだよ。

  でも・・・今、こうして一緒にいること、私、すごく嬉しいよ。 」

「 そうだったのか。

  嫌な思いをさせちゃったかもな・・・。

  オレ、おまえのこと嫌いじゃない。

  おまえと一緒にいると、すごく楽しいし落ち着くんだ。

  白状しちゃうと・・・・・・・・。

  GWだって、一緒にいたいって思うこともあったし、

  おまえからのメールだって、本当は嬉しかったんだ。

  でも・・・オレ、今まで好きになった子とは、

  全くタイプが違っていた、おまえに新鮮なものや興味を感じていたくせに

  自分の気持ちを誤魔化していた。

  それと・・・おまえに嫌われるのを覚悟で、正直に話すけど

  GWの最終日に、偶然、妹がキスしているとこ見ちゃって

  オレ・・・・・・。

  キスをした後の妹の顔とおまえの顔を

  重ね合わせてしまう、いやらしい自分が嫌で、

  すごく自己嫌悪になってた。

  だからおまえの顔を、まともに見れなかったり、

  目が合うとそっぽを向いてしまったりとか、

  冷たくしてしまったんだって思う。

  ごめん。 」

「 ・・・・山下くん。

  わかったよ。

  自分が恥ずかしいって思うことまで、

  正直に話してくれて、ありがとう。

  だから私、そんな山下くんを嫌ったりしない。

  私の気持ちは変わらないよ。

  それよりも告った時より、もっと山下くんのことを好きになってる。

  あっ!やだっ!!

  私、また告っちゃった・・・。 」

「 ありがとう、オレ、素直に嬉しいよ。

  実はオレ、朝のおまえのパァーーーッとした笑顔を見て、

  おまえへの、いやらしい感情が、いつの間に無くなっていたのに

  気付いたんだ。

  そのおかげで自分の本当の気持ちがわかった。

  だから自分の気持ちに正直に向き合おうって思うことができたんだ。

  ・・・おまえの隣に座ってもいい? 」

礼司の言っていることに、戸惑い緊張しながら千春は

「 ・・・うん。 」

礼司が隣に座れるようにと、端っこに寄って座り直した。

ゴンドラは、もう一番高い位置まで上がっていて、

地上が、とても遠く小さく見えた。

礼司が千春の隣に移動した時、ゴンドラがグラッとした。

「 きゃっ!怖い!! 」

「 大丈夫?ごめん。

  結構、揺れたよな。 」

しばらく2人は顔を見合わせて笑っていたが

「 夜景が、超綺麗!! 」

千春が感嘆の声をあげた。

ーーよかった・・・喜んでくれて・・・。

嬉しそうにする千春を見て安心した礼司は、思い切って言った。

「 オレ・・・おまえのことが好き。

  おまえには、なぜか?

  他の女の子には感じなかった、別の不思議な魅力を感じてた。

  それが何なのか、上手く言えないんだけど・・・。

  こんなオレで良かったら、オレの彼女になって。

  千春・・・・・。 」

千春を見つめる礼司の表情は、真剣そのものだった。

千春は、このゴンドラの中で、ずっと礼司の話しを聞いていて、

礼司が告ってくる予感を感じてはいたものの、

実際に告られて、どうしたらいいのか、わからない心境になった。

「 ・・・・山下くん・・・・。

  私のことを彼女に・・・だなんて言ってくれて、ありがとう。

  山下くんの気持ちが聞けて、すごく嬉しい。

  こんな私のことを、好きになってくれて、本当にありがとう。

  それに初めて ”千春” って呼んでくれたんだね。 」

「 うん。おまえの名前、オレ好きだから・・・。

  早く、そう呼んでみたかった。

  今まで ”おまえ” なんて呼んでいて、ごめん。

  千春も、オレのこと ”礼司” って呼んで。

  今すぐ、オレの顔を見て呼んでほしい。 」

千春は、自分のすぐ横に座っている礼司に、胸を高鳴らせながら

今にも泣きそうな顔をして彼の顔を見た。

そして・・・・・・・・・・・・・・・。

「 礼司く・・・・ 」

千春が礼司の名前を呼び掛けた瞬間、千春の唇を礼司の唇が塞いだ。

礼司に、いきなり肩を掴まれ、キスをされている、千春の身体は

カチカチに緊張していた。

長いキスの後、そっと顔を離し、見つめ合う2人。

涙で潤んだ目で礼司の顔を見つめる、千春の顔に礼司は

初めて ”大人の女の表情” を見た。

でも千春の、その顔は礼司の目には、全くいやらしく映ることはなく、

それは、むしろ・・・とても壊れやすそうな、愛おしい、大切なものに感じられ

礼司は、改めて本当に自分が

千春のことを好きだということを確信した。

礼司は千春の頬を伝う涙を、自分の指で拭いながら

「 オレは・・・千春が好き。 」 と呟き、

もう一度、千春にキスをした。

2度目のキスをして、見つめ合った後、

2人は自分達が乗っているゴンドラが、もう下に到着するのに気付いた。

おまけに若い男の係員が、礼司たちを見ていたのが、わかり

礼司と千春は、恥かしくなった。

ゴンドラが乗り降り口に到着し、千春を先に降ろしてから、

礼司が後に続いて降りた時、

若い男の係員が微笑みかけながら礼司に囁いた。

「 これからも彼女と、うまくいくといいね。 」

若い男の係員の意外な言葉掛けに、一瞬、戸惑った礼司だったが、

「 はい! 」

係員の顔を見て微笑み返し、小声で返事をした。

「 ご来場、ありがとうございました! 」

今度は接客スタイルの大きな声で、若い男の係員は言い、頭を下げた。

礼司は振り返り、笑顔で、若い男の係員に手を振ると

男も笑顔で、礼司に大きく手を振り返してくれた。

ーーもう千春は、オレの彼女・・・。

礼司は、すごく照れくさい気分になった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


とうとう 千春 に 自分 の 思い を 告白した 礼司。


これから の 2人 の 楽しそうな 光景 が 思い浮かびそう ですが


千春 には これから 降りかかる 困難 が 待ち受けています。


次回 は 観覧車から 降りた 後 の 2人 を 書いています。


今日 も ご愛読 ありがとう ございました m(_ _ )m


                              なんちゃって作家 Yu