番外編・登場人物 ![]()
山下礼司 ・・・・・・ 高校2年生 なんでも万能タイプ
中村千春 ・・・・・・ 礼司が好き コンビニでバイト
中村加奈子 ・・・・ 千春の母親 優しい人
中村秀一 ・・・・・・ 千春の弟 中学1年生 ひょうきんな子
中村晃一 ・・・・・・ 千春や秀一の亡き父親
今まで の ストーリー ![]()
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一方、千春は礼司と電車内で別れた後、
その足で、そのままバイト先のコンビニに向かった。
バイトのシフトは週に3回、夕方の18時から・・・。
母子家庭で部活に所属していない、千春にとって
バイトは自分の小遣い稼ぎと生活費の足しのためだった。
千春は交代のギリギリ10分前に到着した。
急いでコンビニの事務所でバイトの制服に着替えた後、
千春は仕事に入った。
そして裏手で商品の棚だし作業をしていると
ポケットに入れてあった、携帯のバイブの振動が鳴った。
それはメールだった。
ーー知らないメールアドレス?
もしかして?!
でも違っていたら、すごくガッカリかも・・・。
ワクワクした気分と期待を抑える思いで、メールを開いてみると
タイトル 「 無題 」
《 今日はありがとう。
○○○-△△△△-☐☐☐☐
山下礼司 》
それは礼司からのメールだった。
今日のお礼の言葉と自分の携帯の番号が記されていた。
ーーやっぱり・・・そうだった!!
やったーー!!!
それにしても山下くんって、メールまで愛想がないんだなぁ。
そう思いながらも、礼司からの初メールが嬉しくって
千春は自然に笑顔になっていた。
山下家の夕飯の時間は何事もなく、和やかに過ぎていった。
レンもミオも気を遣ってなのか、もう試合の話題には触れてこなかった。
ただ、その代わり千春の話題一色だった。
母親のミオと妹の美生には、千春とのことをいろいろと
聞かれた礼司だったが、彼は、あくまでも彼女とは
”友達” として・・・ということを強調して言葉少なに話しただけだった。
夕飯を食べ終わり、自分の部屋に戻った礼司は、
チカチカ光っている自分の携帯を見て
千春から返信メールが届いていることに気付いた。
タイトル 「 千春でーす![]()
![]()
」
《 メール
をしてくれて、ありがとう![]()
もぉ~すっごく嬉しかったです![]()
山下くん
の携帯
のアドレス
&番号
も、
早速、登録しておくね![]()
((゚m゚;) ギクッ 今、バイト中![]()

トイレ
でメール
してる ( ̄_ ̄ i) ドキドキ![]()
ちゃんと真面目にバイトしろ
って、山下くんに言われそうだね![]()
![]()
今日は楽しかったよ
山下くんも気分転換
できた![]()
月曜日に学校
で元気な
顔が見れるといいな![]()
私
の方こそ、今日はありがとう
不思議なヤツこと千春
》
礼司はメールを読み終わった途端、思わず吹き出した。
ーー自分のことを不思議なヤツだなんて言うか?
でも礼司は、気分転換できたのかを、気遣ってくれた千春の気持ちが
嬉しかった。
ーーアイツは、やっぱり不思議なヤツなのかも・・・。
試合に負けた、オレのやり切れない思いを
いつの間にアイツが浄化してくれたような気がする。
次回は負けるもんかという気持ちにさせてくれた。
礼司は千春の屈託のない笑顔を思い出したが、
それと同時に
ーーけど・・・アイツがハンバーガーショップで言っていた、
”大切な人” って、いったいどんなヤツなんだろう?
どうしてアイツは、あんな寂しそうな顔をしたんだろう?
礼司は、その時に初めて見た、千春の寂しそうな顔も思い出し
どこか納得できない思いのまま、
今日、千春と一緒に撮影したプリクラを、
挟んでいた生徒手帳の間から出し
画像の中の笑顔が眩しい千春を見つめていた。
「 ただいま~。 」
バイトから帰ってきた、千春は夕飯の用意をしてくれていた母親に
「 お母さん。
バイトの時は、いつも遅くってごめんね。 」
「 千春にも働いてもらってるんだもん。
文句は言えない。
いつもありがとうね。 」
千春は母親の加奈子の優しい笑顔が好きだ。
そこに父親の晃一がいてくれたら・・・と、よく思う。
晃一は千春が小学1年生の時に亡くなっていた。
母子家庭の千春の家では、千春や弟の秀一の成長に伴って
加奈子の給料だけでは生活が苦しいので、
高校生になってから、千春は少しでも家計を助けたくってバイトしていた。
千春より4歳下の中学1年生の秀一は、もう自分の部屋にいるらしく
秀一の部屋からは音楽が聴こえていた。
母親とお喋りをしながら夕飯を食べ終えて、片付けを済ませると、
千春は自分の部屋に入った。
ーー今日は楽しかったなぁ。
山下くんも元気になって良かった。
それに山下くんと、もっと近くなれた気がする。
そう思い、千春は自分の携帯を見て微笑んだ。
ホッと一息つくと、千春は左手首にしていた、ブレスレットを外した。
そして心の中で、そのブレスレットに話し掛けるように・・・。
ーー私の ”大切な人” である ”あなた” が
プレゼントしてくれた、このブレスレット。
ずっと ”あなた” と、つながっていたくって、身に着けていたけど
今日で外します。
それは・・・今日のサッカーの試合の観戦で、
私は初めて会った ”あの人” には敵わないことを
思い知らされたから。
私にはきっと嫉妬に似た感情があったのかも・・・?
それに ”あなた” が ”あの人” を大切に思う気持ちは
苦しいくらいにわかってる・・・。
”あの人” のことを話していた時の
”あなた” のすごく優しかった表情を忘れられないから・・・。
でも・・・私にとって ”あなた” と過ごした、あの一日は宝物でした。
一生、忘れません・・・・・・・。
千春は、外したブレスレットを大切に、
大きなオルゴールの箱の中にしまった。
そのオルゴールは、生前、父親の晃一が
千春の6歳の誕生日にと買ってくれた、最後のプレゼントだった。
そして・・・そのオルゴールの箱の中には、
小学生の頃からの数々の宝物たちと共に
”大切な人” と写したプリクラも一緒に入っていた。
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今日 も ご愛読 感謝 です。
ありがとう ございました m(_ _ )m
なんちゃって作家 Yu