お花。 番外編・登場人物 お花。


花 山下礼司 ・・・・・・ 高校2年生 なんでも万能タイプ


花 中村千春 ・・・・・・ 礼司が好き コンビニでバイト


花 中村加奈子 ・・・・ 千春の母親 優しい人


花 中村秀一 ・・・・・・ 千春の弟 中学1年生 ひょうきんな子


花 中村晃一 ・・・・・・ 千春や秀一の亡き父親



お花。 今まで の ストーリー お花。


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「31」  「32」


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一方、千春は礼司と電車内で別れた後、

その足で、そのままバイト先のコンビニに向かった。

バイトのシフトは週に3回、夕方の18時から・・・。

母子家庭で部活に所属していない、千春にとって

バイトは自分の小遣い稼ぎと生活費の足しのためだった。

千春は交代のギリギリ10分前に到着した。

急いでコンビニの事務所でバイトの制服に着替えた後、

千春は仕事に入った。

そして裏手で商品の棚だし作業をしていると

ポケットに入れてあった、携帯のバイブの振動が鳴った。

それはメールだった。

ーー知らないメールアドレス?

   もしかして?!

   でも違っていたら、すごくガッカリかも・・・。

ワクワクした気分と期待を抑える思いで、メールを開いてみると


タイトル 「 無題 」

《 今日はありがとう。

  ○○○-△△△△-☐☐☐☐

  山下礼司 》


それは礼司からのメールだった。

今日のお礼の言葉と自分の携帯の番号が記されていた。

ーーやっぱり・・・そうだった!!

   やったーー!!!

   それにしても山下くんって、メールまで愛想がないんだなぁ。

そう思いながらも、礼司からの初メールが嬉しくって

千春は自然に笑顔になっていた。





山下家の夕飯の時間は何事もなく、和やかに過ぎていった。

レンもミオも気を遣ってなのか、もう試合の話題には触れてこなかった。

ただ、その代わり千春の話題一色だった。

母親のミオと妹の美生には、千春とのことをいろいろと

聞かれた礼司だったが、彼は、あくまでも彼女とは

”友達” として・・・ということを強調して言葉少なに話しただけだった。

夕飯を食べ終わり、自分の部屋に戻った礼司は、

チカチカ光っている自分の携帯を見て

千春から返信メールが届いていることに気付いた。


タイトル 「 千春でーすニコニコ手紙星 」

《 メールメールをしてくれて、ありがとうニコニコ

  もぉ~すっごく嬉しかったです音譜

  山下くん男の子の携帯携帯のアドレスきらきら&番号キャンディーも、

  早速、登録しておくねグッド!


  あ* ((゚m゚;) ギクッ 今、バイト中汗コンビニ

  トイレトイレでメールラブレターしてる ( ̄_ ̄ i) ドキドキラブラブ

  ちゃんと真面目にバイトしろメラメラって、山下くんに言われそうだねガーンあせる

  

  今日は楽しかったよneco*

  山下くんも気分転換花できたはてなマーク

  月曜日に学校学校で元気なアップ顔が見れるといいな晴れ

  女の子の方こそ、今日はありがとう花


  リラックマ 不思議なヤツこと千春 リラックマ 》


礼司はメールを読み終わった途端、思わず吹き出した。

ーー自分のことを不思議なヤツだなんて言うか?

でも礼司は、気分転換できたのかを、気遣ってくれた千春の気持ちが

嬉しかった。

ーーアイツは、やっぱり不思議なヤツなのかも・・・。

   試合に負けた、オレのやり切れない思いを

   いつの間にアイツが浄化してくれたような気がする。

   次回は負けるもんかという気持ちにさせてくれた。

礼司は千春の屈託のない笑顔を思い出したが、

それと同時に

ーーけど・・・アイツがハンバーガーショップで言っていた、

   ”大切な人” って、いったいどんなヤツなんだろう?

   どうしてアイツは、あんな寂しそうな顔をしたんだろう?

礼司は、その時に初めて見た、千春の寂しそうな顔も思い出し

どこか納得できない思いのまま、

今日、千春と一緒に撮影したプリクラを、

挟んでいた生徒手帳の間から出し

画像の中の笑顔が眩しい千春を見つめていた。





「 ただいま~。 」

バイトから帰ってきた、千春は夕飯の用意をしてくれていた母親に

「 お母さん。

  バイトの時は、いつも遅くってごめんね。 」

「 千春にも働いてもらってるんだもん。

  文句は言えない。

  いつもありがとうね。 」

千春は母親の加奈子の優しい笑顔が好きだ。

そこに父親の晃一がいてくれたら・・・と、よく思う。

晃一は千春が小学1年生の時に亡くなっていた。

母子家庭の千春の家では、千春や弟の秀一の成長に伴って

加奈子の給料だけでは生活が苦しいので、

高校生になってから、千春は少しでも家計を助けたくってバイトしていた。

千春より4歳下の中学1年生の秀一は、もう自分の部屋にいるらしく

秀一の部屋からは音楽が聴こえていた。

母親とお喋りをしながら夕飯を食べ終えて、片付けを済ませると、

千春は自分の部屋に入った。

ーー今日は楽しかったなぁ。

   山下くんも元気になって良かった。

   それに山下くんと、もっと近くなれた気がする。

そう思い、千春は自分の携帯を見て微笑んだ。

ホッと一息つくと、千春は左手首にしていた、ブレスレットを外した。

そして心の中で、そのブレスレットに話し掛けるように・・・。

ーー私の ”大切な人” である ”あなた” が

   プレゼントしてくれた、このブレスレット。

   ずっと ”あなた” と、つながっていたくって、身に着けていたけど

   今日で外します。

   それは・・・今日のサッカーの試合の観戦で、

   私は初めて会った ”あの人” には敵わないことを

   思い知らされたから。

   私にはきっと嫉妬に似た感情があったのかも・・・?

   それに ”あなた” が ”あの人” を大切に思う気持ちは

   苦しいくらいにわかってる・・・。

   ”あの人” のことを話していた時の 

   ”あなた” のすごく優しかった表情を忘れられないから・・・。

   でも・・・私にとって ”あなた” と過ごした、あの一日は宝物でした。

   一生、忘れません・・・・・・・。

千春は、外したブレスレットを大切に、

大きなオルゴールの箱の中にしまった。

そのオルゴールは、生前、父親の晃一が

千春の6歳の誕生日にと買ってくれた、最後のプレゼントだった。

そして・・・そのオルゴールの箱の中には、

小学生の頃からの数々の宝物たちと共に 

”大切な人” と写したプリクラも一緒に入っていた。


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今日 も ご愛読 感謝 です。


ありがとう ございました m(_ _ )m


                              なんちゃって作家 Yu