コウスケや翔子たちと4人でTDLへ出掛けた日以降

仕事が忙しくなった。

たんぽぽの咲く頃、3月~5月の間には行こうと

彼女と約束していた、長野県安曇野の 《 秘密の場所 》 にも

行ける時間は作れるだろうか?

そんな中、今日2月16日・・・。

オレは24歳の誕生日の日を迎えていた。






仕事の方が忙しくなり、私と彼は残業や休日出勤続きだった。

でもこの日は、彼のお祝いをしたい。

彼の誕生日でもある、2月16日・・・今日という日・・・。

0時きっかりになってから 

「 レン!お誕生日おめでとう♪ 」 と伝えると

「 ミオから一番に、お祝いの言葉を言ってもらえて

  オレ、嬉しい!!ありがとう 」 と彼。

朝になって、朝食を食べながら

「 レンは、今日、何時頃に仕事があがれそう? 」 と聞くと

「 うーーーーん。

  早くって10時くらいかも・・・・・ごめんな 」 と

彼はすまなそうに謝った。

「 いいよ!

  どうせ私の方が帰りは早いと思うし

  料理やケーキを作って待っているね 」 と

私は張り切った。





たとえ誕生日だろうが

仕事はいつも通りなのには変わりがない。

今日も何ら変わらない職場の中・・・・。

今、手掛けている仕事に全力を尽くしたい。

料理やケーキを作って待っていると言ってくれた彼女・・・。

《 待っていてくれる人 》 がいるという安心感が

オレに気力を与えてくれていた。





夕方2時間残業をしたら、もう7時・・・・・。

仕事を無理矢理に一段落させた後、

「 お先に! 」 と帰ろうとする、私に

「 バレンタインの時だって、頑張ってくれてたし

  仕事が忙しい中で、ミオだって疲れてるだろ?

  無理すんなよ 」 と彼は小声で言った。

そんな風に言われると、余計に頑張りたくなっちゃう私・・・・。

「 今夜は楽しみにしていてね 」 という言葉を残して

職場を出た。

外はもう真っ暗・・・・・。

私は駅への道を急いだ。





アパートの近くのスーパーは10時まで開いている。

私はケーキの材料や

食事の材料を買った。

気ばかりが焦っていたので、買い忘れがないか?

心配で、何度もカゴの中を確かめた。

肝心の彼へのプレゼントは、前日、百貨店で買っていた。





アパートに帰ると、もう8時過ぎで

休んでなんかいられない。

私はすぐに支度に取り掛かった。

もう小さな台所は、てんやわんや・・・・・!!

ケーキのスポンジを焼いている間

キノコのチキンサラダ

パンプキンスープ

若鶏のソテーを作った。

彼が帰って来るのに間に合うように頑張った。

料理は温め直せば良いようにしておいてから

焼きあがったスポンジにデコレーションをした。

彼は早ければ10時には、仕事をあがれると言っていたので

きっと10時半には、帰ってくると思いながら待っていたけど

10時半過ぎても、彼はなかなか帰って来なかった。





小さなお膳テーブルには、既に料理やケーキは並べてある。

料理は彼が帰って来てから、温めなおすつもり・・・。

台所で使ったものを洗ったり、片付けたりした後、

初めて疲れを感じた。

私は少し横になろうかなと、畳の上に横になっている内に

いつの間にか眠っていた。





10時には、あがれそうと言っておきながらも

すっかり遅くなってしまった。

オレの誕生日を知っている、コウスケが

先に退社する間際に

「 なるべく早く帰ってあげろよ 」 と言い帰っていった。

オレも早く帰りたい気持ちはあったものの

どうしても試作の機器の試運転が、スムーズにいかず

図面を見直したりしていたせいで

だいぶ時間をロスしていた。

やっと試運転が成功したのが10時半・・・・・。

仕事に一段落つき安心したのと同時に、

彼女には申し訳ない思いが交差していた。





なるべく早くと急いだが、アパートに帰って来た時間が

11時を過ぎていた。

彼女は怒っているだろうか?

鍵を使い、ドアを開けた。

そして部屋に入ると、小さなお膳テーブルの上には

料理とケーキが用意されていた。

その近くで横になって眠っている、疲れた様子の彼女を見て、

オレは泣きそうになった。

何も掛けずに風邪を引いてしまうんじゃないかと思い

毛布を出して掛けてあげた。

しばらく彼女の寝顔を見ていたら

目を覚ました彼女・・・・。

「 レン、お帰り!!帰ってたんだね!

  遅くなってしまった分、仕事大変だったんじゃないかな?

  お疲れ様だったね!!

  それにしても・・・私、いつの間に寝ちゃってた。

  毛布を掛けてくれてありがとう! 」 と照れ笑いをし

「 さぁ!

  せっかくだから、今からパーティしようよ 」 と、

はしゃいでいる、そんな彼女が健気に見えた。





食事を温めなおして、彼と食卓を囲んだ。

「 改めて・・・レン・・・・。

  お誕生日おめでとう!!

  今日から私より2つ年上になっちゃったけど

  私だって8月には23歳になるし

  子ども扱いさせないから!

  あっ!精神年齢は、いつでも私の方が上だけどね 」 と

私は彼に笑ってみせた。

「 なんだよ! 

  ミオだって子供っぽいくせに!!

  TDLで、オレよりも、はしゃいでいたのは

  ミオだろう? 」 と彼も負けずに言い返した。

「 なんか、この頃の私たちって

  こんなこと、言い合ってばかりだね 」 

私は可笑しくなった。





食事をした後、彼女が歌う中

オレは彼女の手作りのケーキの上の

24本のローソクを吹き消した。

24本をいっきに消す事は難しい!

彼女に笑われてしまった!!

とっくに、0時を過ぎて日付は変わってしまったが

オレにとって、幸せな時間になった。

彼女も同じだっただろうか?

これからも彼女と、こんな時間を沢山過ごしていきたい・・・。