1月最後の土曜・・・。

彼女と一緒に同棲を始めて一週間後。

コウスケと翔子たちも伴って、

コウスケの運転する車で、TDLへ4人で出掛けた。

現地に到着し、案の定、着ぐるみのキャラクター達に囲まれて

翔子と、はしゃぎまくる彼女!

いい気なものだ!!!

普段からオレの事を子供扱いしておきながらも

彼女だって、まるで子供そのものじゃないか!

オレが彼女を見てクスッと笑うと、それに気付いた彼女は

「 ねぇ、ねぇ~!

  まずはみんなでスペースマウンテンに乗らない?

  レンもいいでしょ? 」 と、意味深な笑顔を浮かべた。

スペースマウンテンとは、ジェットコースターのこと・・・。

彼女の提案を聞いてオレは

「 へっ?

  オレ・・・今日はちょっと身体の調子が

  あんまし良くないんだけど・・・ 」

「 はぁ~?

  今朝、ご飯を3杯もおかわりしていた人が? 」 と彼女。

更にオレは

「 たぶん・・・コウスケの運転する車に酔ったのかも・・・ 」

そこでコウスケ、オレの心の中を見透かすように、ニヤケながら反撃!!

「 おい!

  俺の運転のせいにする気かよ?

  お前、車の中で機嫌良さげに鼻歌なんか

  歌ってたじゃん! 」

「 あっ!それ私も聴いた!! 」 と翔子まで!!

「 なんだよ!!翔子まで!

  違うよ!

  あれは酔わないようにと、気をつけてたんだ! 」

ヤベェ~!!!

オレは平静を装いながら、苦しまみれな言い訳をしていた・・・。





彼が絶叫系の乗り物が苦手だという事・・・・・。

実はあの時、亜由美さんから聞いたことだった。

亜由美さんからは、他にも私が知らなかった彼の事を聞いていたので

私は彼の反応を見たくって、いじめてみたくなった。

スペースマウンテンに乗ろうと言った私に

初めは抵抗していた彼だったけど、結局、渋々、一緒に乗った。

スペースマウンテンが走行中、

彼はずっとバーにギュッと掴まり

目までギュッとつぶって、歯を食いしばっていた。

彼の意外な弱点を、隣で目の当たりにして

私は思わず、彼の事を可愛いと感じた。





彼女が意味深な笑みを浮かべたら、何かをたくらんでいると

疑っても間違いないだろうって、オレは確信した。

彼女は悪魔?

或る意味・・・彼女はわかりやすい女なのかも!!

それにしてもなぜ?

彼女はオレが絶叫系の乗り物が苦手な事がわかったんだろう?

オレもわかりやすい男だから・・・・・・?

そんな事を、マジに考えている自分が可笑しくなった。

そんなことよりも・・・・いつもノーメイクな彼女が

今日は珍しく化粧をしていた。

朝、化粧をしている彼女を見て、オレは思わず

「 何してんの? 」 と聞いてしまい、彼女に軽く怒られた。

もちろん普段のスッピンも可愛くって、人の目を惹く彼女だけど

化粧をした彼女は、とても綺麗だった。

でも 《 綺麗だよ 》 という言葉を

オレは照れくさくって言うことができなかった。

それと・・・身体のラインが出やすい、ロングスカートにブーツを履き

長い髪にベレー帽を被った、普段とは違う彼女・・・・・。

TDL内を歩いていると、

すれ違うヤツほとんどが彼女に釘付けになる・・・・。

《 この綺麗な子は、オレの女だ! 》 と叫びたくなるくらいに

オレは有頂天な気分だった。

オレの上着のポケットの中で、

オレの手と重ね合わせている彼女の手に、可愛らしさを感じ、

思わずギュッとした。






今日は普段やらない、お化粧をしようと試みた。

亜由美さんの美しさには、及ばないかもしれないけれど

彼のために、綺麗になりたかった。

普段とは違った、私を彼に見てもらいたかった・・・・。

それなのに彼ったら

「 ミオ、どうした?

  何してんの?

  なんで今日に限って化粧なんか? 」 だなんて言い

女心をちっともわかってない。

でもお化粧した私の顔を見て、彼は満更でもない表情をしていて

とても嬉しかった。






次も絶叫系の

ビッグサンダーマウンテンに乗りたいと言っている、コウスケ達に

オレが内心、穏やかではなかった時、彼女が 

「 2人で乗っておいで! 

  レン、疲れている様子だから

  私たちは、ちょっと休憩タイム!! 」 と言って

助け舟らしきもの?を出してくれたので、ホッとした。

さっき彼女の事を悪魔だと思っていた事を、

オレは頭の中で急いで撤回した。

彼女はオレにとって、まさしく天使なのかも!

コウスケ達を行かせた後、

「 熱いココアでも飲もう! 」 と彼女が言った。

コウスケ達には、メールで居場所を教えておいて

彼女と2人でカフェに入った。

そこで彼女から種明かし!!

オレの絶叫系嫌いは、亜由美から聞いたことらしい・・・。

亜由美のヤツ!!

オレは亜由美を少し恨んだ。

他に亜由美から聞いたことを、彼女に聞き出そうとしたけど

彼女は意味深な笑みを浮かべるだけだった。

「 ミオって、もしかしてS? 」

やっぱり彼女は悪魔なのだろうか?

この愛らしい顔の下に悪魔の顔が隠されているように思え

オレはマジで彼女が怖くなった・・・・・・!!





一日をフルに使って、4人でTDLを満喫できた。

ワールドバザールで 「 ミオに買ってあげようか? 」 と

彼からLLサイズのミッキーのぬいぐるみを買ってもらった私は

子供みたいに喜んだ!!

そんな私を彼はいたずらっぽい目で見ていた。

私は彼にセーターを買ってあげようと、決めていたので

「 子供っぽいのはよしてくれよな 」 と言う彼の要望に応えて

小さなミッキーのシルエットがワンポイントの

Vネックのグレーのセーターを、彼に選んだ。

彼と一緒に、セーターを選んでいる時が、とても楽しかった。

お土産を買った後に、コウスケさん達と合流すると

翔子もLLサイズのミッキーのぬいぐるみを抱いていたので

お互いに笑ってしまった。

「 コウスケが、買ってあげようか?と言ってくれて!! 」 と

照れながら言う、翔子に

「 レンも、コウスケさんも考える事は一緒だね 」 と

私は翔子と一緒に笑い転げた。

そんな私と翔子の様子に、

顔を見合わせて呆れ笑いをする、彼とコウスケさん・・・。

私や彼も、もちろん楽しめたけど

コウスケさんや翔子の楽しそうにしている様子を見て

また4人で、どこかへ出掛けたい気持ちになった。