昨夜の関東地方の雷、風雨は稀に見る威力であった。
にわかに暗くなってきて、大粒の雨弾が軒、ひさし、ガラス戸、通路に叩きつけるようにバチバチと音をたてて地表を打った。
やがて、黒い分厚い積乱雲の上方から下に向かって黄金色の線条光が素早く奔る。あとからゴロゴロと天上の方ででかい音が走る。ドップラー効果か。
急に空気が涼しくなり風音が激しくなる。
そのうち、白いひょうの塊がひさしや戸を打つ。
一瞬ピカッと辺りを明るくする。
追いかけるように大音声で上空の空間を利用した素早く移動する天空の胴間声。
やがて東電にしては珍しい停電も。
この時とばかり、暗闇でのヘッドランプ装着訓練もできたし、おかげで涼しくなった。
それで思い出したが、その雷を商売に利用した店も者もいた。
六本木に「ラストラーダ」というイタリアンの店があった。
当時ネオリアリズム映画全盛のころのイタリア映画でフェデリコ・フェリーニ監督の「道」( 『LA STRADA』)でのちにギリシャ映画「旅芸人の記録」に引き継がれていくわけだが、そんな古いことはどうでもいい。
とにかくその六本木「ラストラーダ」が魚心(うおごころ)あれば水心(みずごころ)の恋人度を計る粋なアトラクションで、当時はビッグサンダー・マウンテンもなかったころのお話。
そう、恋人同士の間でいい雰囲気になったとみるや、店側の演出で突如、稲光と雷鳴、ピカッ、ゴロゴロー、ガッシャーンと店の内外でそういう仕掛けをやってくれる。
するとふつーにどうなるでしょう。
たいてい、「キャー」と言って女性が男性にしがみつくんですな。
これを利用して女性っぽい弱さをアピールをするわけです。
これをやられたらたいていの男は「よしよし、もう大丈夫だよ」と抱いてやり、愛おしくなって自然と口を吸って安心させたりと、そこはキャンティワインの威力でしょう。
そうなれば、デザートはお決まりの「ダブルジェラート」で、お互い紅白のジェラート片方ずつ互いの口先にもっていき味見交換する。
「バニラもいいけど、この紅いのはなんだろう?
「このジェラートは映画『ローマの休日』でヘプバーン演じる王女アンが舐めていたね」
「キミは、ボクの王女様だ」なんて、にやけた口説き文句を並べてイタ公の真似をするのか?
ところで本場イタリアでこんな仕掛けのカミナリ西洋料理店をつくったらどうだろう。
イタリア女性はカミナリなんかで抱きついてくるかな。
逆に優男が太腕のイタ女に「ヒエー」と・・・・・・。
そんな妄想までを掻き立てる昨夜の稲妻でした。
ちょっと、待て「稲妻」?なんで稲の妻なんだ?
確かに私の周りに稲のつく猛者は多いが、雷とどういう関係なんだ?
これも妄想するに、稲の色が雷に似た黄金色というのは分かる。じゃ、妻というのは?
……これはもう、愚問だな。
今は地震、雷、火事、オヤジ、じゃなく地震、雷、家事、そして古女房。
ヒエー

