(智)



ニノ「スー ハー スー ハー」


智「深呼吸?」


ニノ「ドキドキする」


智「大丈夫。俺の、親だから」




実家では両親がニノを待ち構えていた。


緊張してるニノがお土産を渡すと


とても嬉しそうに受け取って


長旅を労ってくれた。




智母「遠いところをよくおいでなさったね。


疲れたでしょう」

 

ニノ「こんにちは」(ぺこり)

 

智父「可愛い子だなぁ😍


サトコの言う通り、智にはもったいない」

 

智「ねーちゃんから、何か聞いてる?」

 

智母「あの子は毎日のように


ラインをよこすから。


智に預けた猫ちゃんが、智に懐いて


3駅も向こうまで帰ったんですって?


その猫ちゃんにも会いたかったわ。


賢い子ね」

 




俺とニノは顔を見合わせた。

 



はーい✋ここにいまーす。

 

・・だけど。


これは俺とニノの二人だけの秘密だ。

 




智母「可愛いわ💕可愛いわ💕


その辺の女の子よりもずっと💛」


智父「うん」


 



父ちゃんも母ちゃんもニノにメロメロで

 

夕飯は食べ切れないほどのご馳走が出た。

 

風呂上りには色違いのTシャツを着て

 

近くの木に大きなカブト虫がいるというから

 

二人で夜の散歩に出た。






 


空には満天の星が煌めいている。

 



ニノ「俺、虫は苦手なんだ」

 



猫ちゃんだったのに、と笑うと



 

ニノ「全ての猫を一緒にしないで欲しいな」

 



いつか聞いたセリフを繰り返した。

 



智「ニノは、ニノだよ。


宇宙で唯一の、俺の恋人」

 

ニノ「恋人・・・うん。智の恋人///」

 



大きなカブト虫は甘い匂いの樹木に


ブローチみたいにくっついていた。

 



ニノ「そぉっとしておいてあげよう」

 



そうだね。

 

波の音が聞こえて

 

空から満天の星が降り注いでいる。

 

俺はニノの指を開いて一本ずつ絡めた。

 

猫の時よりも心臓の速さはゆっくりで

 

俺とニノの脈も、呼吸も

 

歩く速さも、みんな同じ。

 

時々立ち止まってはキス💋をして

 



ニノ「明日は何をして遊ぶ?」

 

智「釣り🎣だろ?」

 

ニノ「あ、キャンプ🏕は?」

 

智「よし。キャンプをして釣りだ!!」

 

ニノ「もうこのまま、ここに住みたいね」

 



・・・あ。


今、俺も同じことを考えてた。

 

勝手にきゅんとする。

 

幸せで、ニノさえ居れば何もいらない。


俺たちが部屋に戻る頃には


父ちゃんも母ちゃんも眠ってた。

 

二人でもう一度風呂に入って


甘い溶けるような夜を過ごして

 

空が白むまでぐっすり眠った。

 






翌朝、目が覚めて窓から外を眺めたら

 

しあわせ一番町って地名が見えた。

 

んふふ。

 

ニノが居れば。


ニノさえ居れば。


そこが一番幸せな場所だ。


間違いない。

 

まだ眠っているニノにちゅっとキスをして

 

俺はもう一度夢の中へ戻っていった。

 

休みだもんな。

 

二度寝しようぜ。

 



暖かく静かな南の島。


波の音も風の音も


この時は本当に穏やかだったんだ。