先にこちらをお読みください⬇️ 

 




 
妖精さんが行ってしまった・・・
 
遠く北東の空へ小さくなるのを
 
俺は・・・井の頭公園の真ん中で
 
ただひとり見送った・・・
 


 
力が抜けて
 
その場に蹲った。



 
道行く人が俺を避けて通る。
 



邪魔になるから・・・
 
そう思って道の端っこを
 
呆然としながらヨロヨロ歩いた。



 
夕方にはなんとか東屋まで辿り着き
 
そのベンチに力を落として座り込んだ。
 
 

 
あの時の蜘蛛かな・・・
 
俺のこと、じっと見ている・・・
 
 


哀れに見えるんだろうな。
 


 
昼間、ここを通った時には。
 
妖精さんの元へと急いでいたから
 
目に入らなかったいろんなものが
 
俺のこと見てるように思う。
 
地に生える草も
 
風に揺れるタンポポも
 
俺のこと・・・気の毒そうに見てる。
 

 
 
どれくらいそうしていただろう。
 



一番星が出て
 
大きな満月も出て
 
ようやく・・・
 
俺は立ち上がりトボトボと部屋に戻った。
 
 


さっきは。
 
玄関までお出迎えしてくれた妖精さん。
 


咲き乱れる花のベッドにも
 
お気に入りの窓辺にも
 
何処にも居ない・・・
 
 

心にポッカリ穴が空いたみたいだ。
 


いつも泊まってた肩が寂しい。
 
肩だけじゃない。
 
何もかも・・・
 
俺という人間の何もかもが、寂しい。



 
寂しくて寂しくて・・・
 


大人になって初めて泣いた・・・