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夕凪が終わって
 
海風と山風が入れ替わる。
 
いつの間にか空には星が煌めいていた。
 
ぎゅっと抱きしめたカラダの線は細く
 
俺にしがみついて泣く様子は
 
まだまだ幼さが滲み出ていた。
 
こんなにも泣かせちまった。
 



「無事でよかった・・・」



 
俺は一番星の下で泣き止むのを待った。



 
少し落ち着いたのを確認すると
 
釣りの道具やらスケッチブックやら
 
一緒くたにして片手に持ち
 
もう片方の手を差し出した。



 
小さな可愛らしい手だな。


 
むんずと掴むと
 
俺はウキウキして
 
部屋へと連れて帰ることにした。
 
コイツは生魚が苦手だから
 
ちゃんと火を通してやんないと、な。
 
そんなことを考えながら
 
汐風を背に歩いていると
 


「それ、持つよ」
 
「お?サンキュー」


 
釣竿を持ってくれた。


 
・・・ふぅん・・・
 


ちょっとの間に本当にしおらしくなった。
 
俺はなんだか愉快だった。
 
大御所の悪事を勇気を持って告発したのも
 
俺を心配してここまで来てくれたのも
 
今こうして無事に・・・
 
俺の隣を歩いていることも
 
何もかもが。
 
俺の心を満たしていた。



 
お前、すげーヤツだな。
 
お前、マジですげーよ・・・



 
子どもから大人になるその成長を
 
目の当たりにしてした。