お父さんが癌で、なくなったAちゃんがいました。
Aちゃんは、静かに息を潜めて暮らしていました。
Aちゃんの描く絵は、いつも小さくて なにかに怯えているようでした。
ある日、廊下で友達(Bちゃん)に酷い事を言われているのを目撃してしまいました。
B「ねえ、Aちゃんのお父さんって、ハゲツルになってしんじゃったんでしょ。」
A「そうだよ。痩せて、小さくなってハゲツルになってしんだんだよ。」
B「そう。」
Aちゃんのお父さんは、半年も前になくなっています。
Bちゃんは その事を知っているはずなのに何回も 聞いてきます。
ハゲツルになってしんだという衝撃的な出来事をなん度も確かめる子供の残酷さに 私は怒りが湧きました。
その後も、男の子が 通りすがりに後ろからポンとたたいてきたり、作ったものを隠されたりする意地悪をされているようでした。
それを子供がする時は 大人が見ていない時です。
私が見つけた時は 注意しましたが、私はパートなので彼女といる時間は1時間でした。
何かあるたびに Aちゃんは悲しみをグッと堪えていました。
私は、彼女の悲しみがよくわかります。
元気がない時に目を見つめると、彼女は なん度も泣きそうな顔をして私を見ました。
よくトイレで こっそり彼女と話をしました。
担任の先生に言ってあげようかと言うと
変わらないからいい と言って彼女はスッといなくなりました。
彼女から何か聞いた時には 担任にはこっそり知らせました。
しかし 手を変え品を変え ちょっとした意地悪は続きました。
Aちゃんは 介護施設で働くお母さんに心配かけないように頑張っているようでした。
今、彼女は、小学生です。
元気ですごしているかな。
私は どこかで会って 話をしたいと思うのです。
お茶とケーキをご馳走して、ゆっくり話をきいてあげたいな。
そして、今は仲の良いお友達に囲まれて幸せであってほしいと願うのでした。