玄関のすぐ隣に小さな和室がある。

普段は使っておらず、

今はちょっとした物置のようになって

しまっている。

 

そこに普段は使わないピンのケージを

置いている。

 

 

いつだったか、

お昼に戻った時、ピンがいなくてとても

慌てたことがあった。

 

確か和室も覗いたのだが、

いなかった。

 

と思っていたのだが、

 

和室に入ってすぐのところに置いている

ケージの中にいたんだと後でわかった。

 

私にしてみれば足元。

まぁ気づかないわなと思う。

 

 

なので、それ以降、お昼に帰ると、

まずケージを確認する。

すると、最近は半々でそこにいる。

 

 

 

それにしても、なんだろう。

今までとは行動パターンが変わって

きているピン。

 

老犬ゆえなのか。

 

散歩に行っても、

立ち止まってしまう。

 

ピンの行きたいようにと思って、

あちこち促しても、

ぐいっと引いて立ち止まる。

 

それが横断歩道上だったりもするので、

とても危険だ。

 

結局、ピンを抱っこして帰ってくることが

ある。

 

 

いよいよ心配になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなに近づいても気づかない。

耳も目も悪くなっている。

 

 

クマオに話すと、

いたたまれなくなったのか

「ピン」「ピン」と抱っこして

いつくしむ。

 

 

「今度病院で先生に相談しよ」

クマオが言う。

 

「うん」

 

いつのまにかクマオと私のピンに

なっている。

 

 

 

ふと思った。

今の私に残された仕事があるとしたら、

それは、ピンを送ってやることだけだと。

 

 

「ピンは一人でどこにも行ったこと

ないからさ、

ピンをあの世に一人で行かせるのが

心配になる・・私もいっしょに逝きたい」

 

そう言うと、

「アホか」とクマオが私をいさめた。