ひどい裏切り、数えきれないくらいの嘘。私がそばにいるのに女のことばかりを考えて
行動していた非礼。そのすべてを泣きながらも快く許す自分。私は最後まで年上女として
そんなできた女を演じ切るつもりでいた。
しかし、今目の前にいるこの男は、ふてぶてしくもスマフォをいじり、ちらりと私を一瞥し、
にこりともしないでお茶を飲んでいる。
絶望と怒りで心臓が刺されるように痛くなる。知らず知らずのうちに手が胸にいく。
「痛いの?」
「うん、ちょっと」。
クマオは「はぁ~っ」と、これみよがしにため息をつき、「もう帰ろう」と、信じられない言葉を
発した。イライラを隠し切れないクマオ。私はもうクマオにとってどこまでも疎ましい存在だ。
そこに愛や、8年間そばにいた私への情もない。こんな悲しい現実と向き合うために、私は
今日を待っていたのか。もうきっぱりと会わなければよかった。
後悔、悲しみ、そして激しい憎しみ。死ねばいい。お前も女も死んでしまえ。
そして自分も死んでやる。まるで悪魔のような私の心。この世に存在するすべての負の
感情が一気に入り込んできたのをはっきりと自覚した。