2月にクマオはあるブランドのスウェードのブルゾンを購入した。
それは一目見て、クマオに似あうと思って私が勧めた一着。お値段はちょっと張るけど、
これは素敵だ。私の思い入れが詰まったきれいなブルーグレーのブルゾン。
そのブルゾンを着ているクマオを一目見ておきたい。そんな思いがあった。
同じ頃、私も春になったらぜひ着たいと思うワンピースを買っていた。
その頃すでに女の気配があったクマオ。邪険に扱われる日々の中で、こんなおばさんでも
もう一度クマオに可愛いと言ってもらいたい。その一心で選んだデザイナー物の花柄ワンピ。
これを着て、もう一度だけクマオとデートしたい。
精一杯おしゃれして、お肌のお手入れもするのだ。香水だってつけるのだ。
そして「最後のデート」と銘打ってクマオを誘う。
未練がましくも私はそんな手紙を書いた。