みずま音楽教室
レッスンや教室行事にまつわるスケジュールが立て込み始めました
いよいよそういう時期に入ったのかと、少し緊張し始めています
いわゆる繁忙期に入る前に絶対に観ておかないと、と思っていた映画作品をスクリーンで観て来ました
映画『急に具合が悪くなる』
このタイトルに強いインパクトを受けました(ナチュラルと言えばナチュラルだけれど…映画作品のタイトルとすればやっぱりインパクトありますよね笑)
濱口竜介監督の作品がいつも気になりながらスクリーンで見逃していたこと(基本私は、映画は出来るだけ映画館で観たい人なので)
ダブル主役のモデル・Taoさんが『女優・岡本多緒』として出演されていること
この点だけでも「何としても観に行く!」と決めていましたが、カンヌ国際映画祭のコンペで多緒さんとW主演を務めたヴィルジニー・エフィラさん(とにかくナチュラルで丁寧な演技!そして日本語も素晴らしい‼︎)と最優秀女優賞を同受賞された吉報が届き、観賞欲が益々高まりました
でも、観賞欲はそれだけじゃなかった
多分、自分の状況もベースにあったと思いますが
いや思うではなく、何かすがるような思いがあって観に行ったことがその時の正直な気持ちでした
不可能が可能になること
不可能は不可能であること
どちらにしてもやってみなくちゃ分からない
これは作品のテーマでもあるし、このセリフが作品の中にも出てきます(言葉尻が少し間違っていたらごめんなさい笑)
仕事のこと、人との関わり、社会の現状
ここ数年から今日に至るまでに起きた私と私の周りのこと
どのシーンも個人的に胸に刺さり涙が出るのですが、決してそれらが辛いから涙が出るのではなく、先ほどの(赤文字の)セリフが『生きるための言葉』として与えられたような気がして、この言葉に救われ、肯定され、少し自分を受け留めらるようになりました
ストーリーの中で私たちの生きるこの社会の仕組みを主演の2人が講義のように、時にはカウンセリングのようにそれぞれの考えを交換し合い、認識し合うシーンはこの作品の一つのポイントになると思いますが、そのシーンはまるで私もその中に居るような錯覚を覚えました
W主演のお2人の自然な演技(自立した人間の凛とした佇まいの中に抱える悩みや孤独)
そして大好きな長塚京三さんの演技(年齢を積み重ねたからこその達観と挑戦し続ける生命力)
心に寄り添うような美しいフランス(パリ郊外)の夜景、そして朝霧の神聖な空気感と山頂から見下ろす京都の田舎の穏やかな景色
介護施設で働く人の理想と現実
利用者と家族の現実
『ユマニチュード』の現実
実は私、かなり前からこの『ユマニチュード』を知っており、当時の私は“これは当たり前のことでしょ?今更?”と思っていましたが、今の私は“その当たり前”を実行することがなぜ難しいと感じるのか?その難しさの根底にある社会構想がよく分かるようになり、理解と定着迄に時間は要しても『必要な支援の在り方』として理解出来るようになりました
個人主義で自由を愛し、それらを当然の権利とするフランスで、一人芝居という芸術表現をする役者(劇中劇の中のとあるシーンは、私の仕事の特大ヒントになりました笑)
社会の仕組み、資本主義の中で豊かになる人と弾き出されてしまう人
生きる権利
障がいの有無とはなにか
『智樹君』がフランスで演劇活動をするおじいちゃんと共に生活をしているから『フランスに居る』という必然性だけでなく、彼がフランスに居た方が良いと思える社会とそこに居る人たちの環境を考えずにはいられない
そして生きること、死ぬこと、生き抜くこと…
不可能が可能になること
不可能は不可能であること
どちらにしてもやってみなくちゃ分からない
よく聞く言葉であるとは思います
確かにそれは間違いではないけれど、よく聞く言葉=使い古されたどこか薄っぺらい言葉、又道徳の教科書の言葉のように感じる時もありました
でも、この作品を通じて改めてこの言葉の本当の意味と重みを味わいました
どれもこれも自分に刺さりまくって大変な作品ですが(笑)決して説教地味ておらず、私には「いつでも戻っておいで。」と言ってくれる“しおり”のような作品となりました
エンターテイメント性は低く、派手さはない作品かもしれません
でも、役者さんのルックスで保っている危うい作品や(映画にする意味があるのか?と思うような作品の多さ)予算を掛けるだけ掛け、その作品の主役さんがまるで映画誘導の為のCMのように、公開前を狙って主演ドラマ作品にバンバン出る形式など(ただただ映画誘導をしたいが為に取り繕ったようなドラマ作り)その『業界の仕組み』もアリなのかもしれないけれど…
『品質』『本質』を理解出来る業界人は今の日本にどれくらい残っているのか?と、時々怖くなることがあります
『急に具合が悪くなる』のような、こういう作品をしっかりアピール出来る日本であって欲しいと願うばかりですが…これこそが資本主義の話と繋がるのですよね(泣)
是枝監督の作品は好きなので『箱の中の羊』も公開時期に観ましたが…私の中ではストーリー・キャスティングが何も響きませんでした(響かないことに自分でも驚いたほど)唯一物凄く良い!と思ったのは音楽‼︎寧ろ音楽だけが印象に残ったくらい
あくまでも個人の主観にはなりますが、どう見ても『急に〜』のクオリティーは『箱〜』と比べて格段に高いと思えましたが、実際にはCM頻度は『箱の〜』の方が多い…こういうことなのかな…
いろいろと自分の思いを語ってしまいましたが、この作品と出会えて良かった
観れて良かった
カンヌ国際映画祭で14分以上のスタンディングオベーションも納得です
この作品に救われる人はきっと私だけじゃないと思います
世界中の人に観て頂きたい作品です
俳優さんのご紹介枠が“この方のご紹介はきっと長文になるから”と思い、別枠設定にしてみました(^^)
出演されている俳優・黒崎煌代さんの演技は以前から注目していましたが…今回、智樹君を演じる黒崎さんの演技力には感服しました
これまで障がい者を演じてきた『健常者である役者さんたち(敢えてこの表現をさせてください)』の演技に、強烈な違和感や腹立たしさを感じていましたし、極力見ないようにしていました
因みに、私はこの作品を観るまでストーリーの中に自閉スペクトラム症の登場人物が存在することを知りませんでした
何なら私的に注目していた俳優さんなのに、この作品に出演されていること…全く気づいていませんでした(^_^;)
ストーリーが進む中で突然現れる男の子(後の智樹君)は、自閉症児さんとの関わりがある方には“障がいのある子かな?”と気づかれると思いますが
その演技が“付け焼き刃的な演技”ではなく、そのまま自閉スペクトラム症のお子さんとして存在する物凄い演技力でした(これも敢えての表現ですが、中度以上の知的障がい・自閉症のお子さんであろうと推測ができるほど)
寧ろどうすればここまでの演技が出来るのか?と不思議に思うほどそれは演技ではなく、そこに『智樹君』が存在するのです
そして黒崎さんが演じる『智樹君』は、この作品中の(表側からも裏側からも)テーマ性にも触れ、一部牽引する存在です
黒崎さんの演技は賞賛されるべきかと
黒崎煌代さんの演技を観るだけでも価値ある作品と言って良いと思います
#映画急に具合が悪くなる
#黒崎煌代
7〜9月は体験レッスン休止中です
10月から再開予定ですので
今しばらくお待ちください♪
