桜木町のコレットマーレにあるブルグで
久しぶりにモノクロ映画を観た。
『敵』
長塚京三主演、吉田大八監督作品。
原作:筒井康隆。
主人公は定年退職した七十代の元大学教授。
妻は亡くし、子は無く、一人暮らし。
生きる長さと預金残高がつりあうよう
Xデーなるものを設定し
淡々と律儀に遂行する日常。
モノクロームの静かな映像が懐かしく
安息感すら感じさせるが
実は
身につまされて痛くて切ない
かつとても恐ろしい映画だ。
老いによって壊れ行く日常、孤独、妄想。
心の傷と強迫観念。
妄想と現実の境界がわからない。
いや
たとえ妄想だとしても
本人にとって
それはあくまで現実。
ただただ
恐ろしい現実ではないか。
こわいなー、
私もああなったらどうしよう。
若い頃、
筒井康隆と星新一と眉村卓に
異様にはまっていた時期があり
(なぜか
この三作家は私にとってワンセットで
ある時代の3スターだった)
これは読んだ記憶が無かったので
映画を鑑賞後に
原作本をAmazonで購入。
映画で強調されていた部分以外の
細やかな日常の生活感が面白い。
この主人公の生きる姿勢みたいなものと
価値観に私も少し似ている。
自分に課した秩序をきちきちと生活しつつも
実はだらしなく自分勝手な面も似ている。
大事にしようとして大事にしきれない
様々な物や生き物や人々。
悔いも多い……共感。
とはいえ、
まだ40頁くらいしか読んでいないし、
私は好きな作家なので
文章の味わいが好きだが
エッセイ的な章立ての小説であるため
面白くないという人もいる。
それにしても
主人公は七十代の設定だが
私など
六十代でもボケ予感も妄想予感もありすぎで
いずれ
なにかしらの妄想に憑りつかれることは
間違いないように思える。
どう対処しよう。
ひとりだし。
日常で既に恐れていることや
トラウマなどが妄想の核になるのだろう。
強迫神経症的な
あるいは不安神経症的な
といおうか
そういうのなら
今でも、もうあるかな。
まあ、
しょうがないね。
こんなに
すごいスピードで時代が変わる。
むごいほどのスピード。
そんな状況を生きていて
先のことなど益々わからないよ。
スーパーで焼肉のタレを手にしたら
メーカーがジャック・ダニエルだった。
なんだかショックだったな。
なぜだろう。
ゴディバ・ジャパンも今や韓国の会社。
(中国が買ったという情報も)
スーパーで買えるチョコになった。
糖や添加物が多くなったらしい。
もうずいぶん前から
カカオ70%以上の
国産メーカーのチョコレートしか
買わなくなった。
ネットはAI生成の嘘画像や
意味不明の中傷やデマ情報であふれ
それでもみんな
スマホにしがみついて
生きている。
最後に出てくる言葉は
やっぱり
「今日を大事に生きよう」って
それだけになってしまう
2025年1月の私。
初期の肺気腫って医師にいわれた途端に
呼吸がしんどい(笑)
読んでくれてありがとう![]()
![]()