
一月のショートショート
ここはある家のお風呂場
シャンプーとトリートメントとボディソープが
並んで立っていた
シャンプーが言った
「やっぱり俺が一番人気だな。使われるのは一番初めだし、減るのも一番早い」
それを聞いたトリートメントが言った
「そんなことないわ。この家のお嬢さんたちは私なしでは髪はゴワゴワ、外も歩けないわ!私にかかれば髪はサラサラ、ツヤツヤよ」
またボディソープが言った
「君たちは所詮髪の毛しか使ってもらえないじゃないか。僕なんか体中足の先まで
きれいに出来るんだ!」
シャンプーが言った
「よし、次に入ってきた人がどれを一番使うか競争だ!」
そこへその家のおじいさんが
お風呂に入ってきた
おじいさんはいつも怒ったような顔をしている
みんなはサッと喋るのをやめて
様子を伺った
おじいさんは湯をかけると椅子に座り
いきなりそこにあった白い石けんを取り
頭から足のつま先まで
ものすごい勢いでゴシゴシと
洗い始めた
3人は呆気に取られて
もう争うのはやめましたとさ